Perfume 武道館ライブのピンスポット

以前、ツイッターに「武道館ピン」と題して連続ツイートしたものを、まとめて加筆して再掲します。武道館ライブのDVDをお持ちでないと、あまり面白くないかも知れませんが、悪しからず。

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Perfumeの武道館ライブのDVDは、ピンスポットがとてもわかりやすく映っています。ピンスポットについて、少し細かく分析してみました。

ピンスポットは、通常は中央正面からあてられますが、武道館のような大きな会場の場合、斜めや真横からもピンスポットが使用されることが多いです。しかし、斜めや横のピンは画面からの解析が難しい面がありますので、今回は正面のピン(センターピン)のみを取り上げます。

ピンスポット自体については、以前「エレワの照明」と題した連続ツイートで少し紹介しました。ピンスポットは、とても強力な光を放ちます。白い光のピンで照らせば顔が明確に明るくなるし、カラーフィルターが入れば、その色に一発で染まる、強い光です。

武道館の一曲目「コンピューターシティ」では、なんとピンスポットは使われていません。この「コンピューターシティ」は、ピンが全くあたっていないので三人の顔はずっと暗いままです。これは実に思い切った演出だと思います。

センターピンは、普通、中央の高い位置にある部屋(ピンルーム)から照射されます。DVD画面でもピンルームは確認できます。「コンピューターシティ」中だとタイム4m52sぐらいから。二階席中央の頭上に、横に細長い窓が三つ並んでいるのが見えます。これがピンルームの窓です。

「コンピューターシティ」ではピンスポットは使われていないので、ここではまだピンルームの窓は暗い、ただの黒い四角形にしか見えません。しかし、このあとピンスポットが点灯されると、この窓から強力な光のビームが照射されるのです。

二曲目の「edge」からピンスポットは使用されているのですが、DVD映像でピンスポットの光を確実に確認できるのは、次の「エレクトロ・ワールド」が終わった後のMCの時、タイムで言うと15m30sぐらいのカットです。先ほどの窓から、強烈に明るい6本のビームが出ているのが見えます。

ピンが6本ということは一人に対して2本のピンがあたっているということです。「plastic smile」「love the world」ではピンの丸い光とその影が後の壁や床に出ていまが、よく見ると各2本のピンによる少しずれた二つの影が出ています。

ピンをPerfume一人に対して2本ずつ(6本)使用しているのは、おそらく明るさを確保するためだと思われます。逆に、明るさがそれほど必要ない曲などで、一人に1本だけピンがあたっているケースも見つかります。

たとえば「マカロニ」は、一人1本のピンです。イントロ(DVDタイムだと29m05sぐらい)でピンルームから光が3本だけ出ているのが確認できます。ちなみに歌中の、29m27sぐらいのカットを見ると、横からのピンの光も見えます。

この分析をしてて面白いことに気づきました。サビの途中30m22s付近を見ると、ピンの光が交差しています。かしゆかにはまっすぐ光が当たっていますが、あ~ちゃんとのっちにあたる光がクロスしています。2コーラス目のサビ、31m09s付近ではよりはっきりわかります。

この理由は、(おそらく)ピンスポットの操作者が「誰を照らすか」を決めているからだと考えられます。具体的には、下手(しもて)のピンはかしゆか、中央のピンはあ~ちゃん、上手(かみて)のピンはのっちを照らす、と、決められているようです。

この武道館ライブでは、その原則は最後まで守られます。合計6本のピンがありますが、下手側2本がかしゆか、中央2本があ~ちゃん、上手2本がのっちを照らしています。常に。

たとえば「GAME」の48m56s付近で一瞬ピンのビームが映ってますが、ここでは三人の並び順が下手から「あ〜ちゃん」「のっち」「かしゆか」の順です。中央2本のピンの光が、下手のあ~ちゃんを照らしているのがわかりますね。

あるいはMC中の1h04m23s付近。ピンルームからのビームを見ると、中央2本のピンが消えていて、下手の2本がかしゆかを、上手の2本がのっちを照らしていることが確認できます。この時あ~ちゃんはステージにいません(おそらく)。

「PTAのコーナー」の、たとえば1h20m12s付近からなど、6本のピンスポットが2本ずつ分担して3人を追う様子が観察できます。それら、常に、下手側2本のピンがかしゆか、中央2本のピンがあ~ちゃん、上手2本のピンがのっちを照らしています。

「うえしたうえうえ」で盛り上がる「Puppy love」の1h31m21s付近からを注意深く見てみましょう。やはり、「下手ピン=かしゆか、中央ピン=あ~ちゃん、上手ピン=のっち」の原則は、絶対に崩れていません。

このように、ピンスポットは通常、舞台上の「誰を照らすか」を決めてオペレーションされます。

「武道館ピン」おわり


カテゴリー: 照明