きのうも書いた、「音楽に合わせて身体を動かしながら台詞を言う」の練習を、家でやっていたら、
「顔は笑っているのに、眉間にしわが寄っている」
といえの人に指摘された。精一杯だからなぁ。自分で歌を歌うのは好きだけど、音楽は苦手分野だ。歌うのでも、ハモるときは眉間にしわが寄る。
リズム感が、ない。『かもめ』で、音楽に合わせて身体を動かしながら台詞を言うシーン(台詞を言っている人の動きを、他の全員がまねる)があって、私はなかなかうまくできない。私が「しようと思っている動き」をまねしてる人と私が実際に「している動き」をまねしている人で、動作が2拍ずれたりしていた。あぁ(嘆息)! がんばらねば。
稽古が早く終わったので、郵便局で振り込みもできたし、新宿で買い物もできた。年の瀬にちょいとゆっくりできて、よかった。
お正月映画のTVコマーシャルでおすぎが「涙がとどめなく流れました」と言っているけれど、あれは正しくは「とめどなく」じゃないだろうか。
『忠臣蔵・OL編』キャスティング発表。私は、ダメだった。
来年春の『忠臣蔵・OL編』の劇団内オーディション。割と早く終わったので、『かもめ』の稽古にもそれほど遅れずに行けた。衣裳の方から、プランを見せていただく。ステキな衣裳というのも嬉しかったし、いままでだいたい自分で衣裳を探したり作ったりしてたから、他の人のセンスと技術で衣裳を用意してもらえるというのも、私には目新しく、嬉しかった。
稽古が休みになったので、家でガンガン仕事をするつもりだったのに、目覚ましが鳴っても2時間くらい起きれなかったし、昼間もどうしても眠くなって寝ちゃったりして、あんまり進まなかった。身体が休養を欲していたんだと思うから、休めてよかったけれど。
夜、『忠臣蔵・ミリタリー編』の読み合わせと、ミリタリー関係について各自が調べてきたことの発表、それから、舞台設定をどうするかというのをみんなで話し合った。これは、前に書いたか忘れたけれど、劇団内で、特に上演を前提としないで稽古していく、「プロジェクト公演」という企画だ。俳優で自主稽古を重ね、ときどき演出に見てもらう。次に練習できるのは、たぶん、1月下旬。気の長い話ではある。
ゆうべ、つい夜更かしして、きょうの稽古はギリギリの時間に行った。動きの激しいシーンを2回やって、その後ゆっくりした、どちらかというとただ立っているだけのシーンをやったら、眠くて困った。
3日ぶりにキャストが全員揃い、きょうの稽古は、冒頭から3幕の終わりまでやった。
なんで音楽は人の心を動かすのか、に関連して、「吊り橋の上で出会った男女は、平地で出会った男女より相手に好印象を持ちやすい。怖い『ドキドキ』と恋の『ドキドキ』を取り違えるからだ」という話を聞いた。有名な話だそうだけど、私は初耳だった。
『かもめ』は、引き続き3幕。帰りに、使いたい小道具を探す。探していた物ではない物で、使えそうな物を見つけ、購入。採用になるといい。
駅のコンコースに、いろんなケーキ屋さんがショーケースを出して、クリスマスケーキの販売をしていた。夜遅くなったら安くなるのかと思ったら、売り切れてどんどん撤収していくシステムらしくて、9時半にはもう2軒しか残っていなかった。値引きはしていなかったようだ。
駅前に、「人妻コスプレ」という看板を持った人が立っていた。人妻が、看護婦とか女子高生とか(よくわからないけど)のコスプレをするということなのか、それとも人妻のコスプレ(はだかエプロンとか?)なのか、どっちなんだろうと考える。
『かもめ』は3幕。登場人物が二人、というシーンが続く。いま翻訳している劇作の本で、チェーホフという作家は大きくくくればどういうことを書きたかったのかといえば、homeつまり家庭、安住の地ということ、またそれがないということを書きたかったと言える、というような話が出てくるのだが、今回『かもめ』をやっていて、あぁほんとにそうだなぁと思う。 。
10時から、青年団『東京ノート』稽古。来年2月の香港、オーストラリア公演のため。キャストが一人新しくなったので、彼女の出てるところを中心にアタマから最後まで。2時に終了して、『かもめ』の稽古場に向かう。
『かもめ』は、きょうは4幕をやっていたそうで、到着した途端に、動きを説明され、よくわからないまま、全員が登場しているシーンの稽古。「自分だけ演目も台詞も知らないで、本番の舞台に立っている」というよく見る悪夢のような気分に少しなった。おもしろかったけど。
早めに稽古を終わって、皆で劇場下見に行く。「ここにそういう物/機構があるんだったら、それを使ってこういうことをしたい」という意見を演出家が次々出す。どうもヨーロッパの人って、ダメもとで言うだけ言ってみるところがあるみたいだ。日本人は、私もそうだけど、そういうのを聞くと、演出がやりたいって言ってるんだからなんとか実現しなきゃ!!とか、そんな無理なことをどうして言うの!!!とか、パニックしがちだ。ちがう文化なんだから、ある程度しょうがない。お互いに、相手のことを知って歩み寄ろうという態度があれば、大丈夫だと思う。お互いに、というところがポイント。
『かもめ』2日め。10時半には、家を出る。先週までの昼夜逆転状態が、遠い昔のようである。
『かもめ』の稽古、第1日。新しいメンバーの自己紹介から始めて、きょうは「ワークショップ」的内容が多かった。昨年稽古日記を付け忘れて細かいことを忘れてしまい残念だったので、今年は、毎日書きとめておくぞ!
カイロの先生に、身体がすごく緊張している、と言われた。ストレスというのは、なにか気になることがあり、感情的になってしまうのでそれが身体に伝わり、身体が緊張するということなんだそうだ。身体に伝わらなければ、ストレスにならない。感情的に受けとめてしまうというところを「解除します」、と先生は言って、治療してくれた。解除されたのだろうか? ともあれ、気持ちがすっきりしたことはたしかだ。
ナンニさんの歓迎会。イタリア人演出家をパスタとピザで迎え撃つとは、ク・ナウカ シアター カンパニー、その意気やよし。
翻訳原稿の、直しをやっている。主には、編集や監修の方の指摘してくれた点を直していて、もちろん「もっともだ、これはわかりにくい」とか「たしかにここは私が調子に乗りすぎた」と思う部分が多いのだけど、熟考の末「こうするとこっちがうまくいかなくなるから、あえてここはこうしよう」と選択した表現や、1文の中での論理的整合性を考えて打ったり打たなかったりしている読点を、変えられている箇所に行き当たると、なんだかドキドキして呼吸困難みたいになってしまい、なかなか進まない。もともと自分で満足していない部分だったりするから、なおさらあせってそうなってしまうのだろう。プライド、みたいなもんも、あるんだと思う。むずかしいね。
生活時間がめちゃくちゃである。20日から『かもめ』の稽古が始まり毎日決まった時間に外に出掛けていくようになれば直る、と思って放置していたのだけれど、きょうは、午後一回起きるも食事後また寝てしまって、ちゃんと起床したのが夜11時。半日ずれている。
英語のメーリングリストに入会する。舞台のスタッフワーク関連のもの。私がものを聞いたり教えたりする機会はあまりなさそうだけど、演劇用語が実際に使われているのを見たいので、しばらくROMさせてもらおうと思う。パッチワークのも、翻訳のも、メーリングリスト辞めちゃってたので、英語のメールがどんどん来るのは久しぶりだ。
午前中、2月の『東京ノート』海外公演のための積み込み作業に参加。午後、歯医者。
電車に30分ほど乗るので、その間に考えをまとめたいことがあったんだけど、3席ほど離れたところに座ったおばさん二人の会話が耳に入ってくるのを無視できなくて、結局何も考えられなかった。
地方出身者は「いったん口から出たらおしまい」(言ってしまったことは取り返しがつかない)と考えているからあんまり言わないけれど、東京の下町だと、お互いに言うし、喧嘩もするし、だけどそれで次の日あったら「おはようございます」と挨拶してつきあいを続けていく。そういう違いがあるから、(田舎の人と)分かり合うのはむずかしい。お茶菓子にしたって、買ってあった高くもないお饅頭を出したらものすごく恐縮してありがたがってお礼に野菜をたくさん持ってきた。その人の家で「おいしいからどうぞどうぞ」と勧められたものは、きのうの残り物(煮物か何か)だった。私の美学では、いくらおいしいったって残り物を出すのはどうもね。もちろん、私はそんなことは一言も言わないわよ。でもね……というような話。
青年団プロデュース『夏の砂の上』の照明仕込みに参加。顔の高さら辺で向こうに「よっ」と放ったコードがブランッとおでこに返ってきてぶつかり、ちょっとこぶになった。
夜、「プロジェクト」の初ミーティング。『革命日記』と『忠臣蔵』を劇団内の希望者で少しずつ稽古していくという企画だ。私は『忠臣蔵』に参加している。第一回自主稽古の日時を決め、じゃぁそのときまでにこれこれを各自で調べたりしてきましょう、というのを申し合わせた。
今年最後の日舞。手習い子は、やっと一段目の終わりまでいった。前回の記述に抜けやまちがいがあったので、もっかいそこから書いておくと:
- 右左回る、左右回る
- 右1歩、手(交差して開く、右手背負う)、首(右から)
- 「道行き」引き合い→右足トンで回る
- あらたに手を付けながら、「みだれ髪」のポーズみたいなの
- 右手トン、左手トン、右手トン
- 左手付いてごろん、首振り(8の字)、最後は手のほうを見る
- 右手で左(低)→中央(高)→右(低)
- 左手で右(低)→中央(高)→左(低)
- 髪に手、首
- ワイパーみたいに高低するヤツ
- ぐるーっと回って、ポーズ
- あごに手、首
- 右1歩、手(交差して開く、右手背負う)、首(右から)
- 右手でぶって、右足トン
- 左手でぶって、左足引いてから、トン
- 右1歩、手(交差して開く、右手背負う)、首(右から)
- おすべり4回
- 右手で左(低)→中央(高)→右(低)
- 左一歩出て、左手で右(低)→中央(高)→左(低)
- 右手は着物、左手は胸元(一本指)でお習字帳に向かう
- そのまま座って、左見て、右見て
- 琴を弾く
- 三味線を弾く
- 右手伸ばして肘あたりに左手
- 左手伸ばして肘あたりに右手
- 右左と裾を直して、手をついてお辞儀
- お習字帳を右手で取って左袂で隠して、左足かけてターン、後ろへ
「琴や、三味線や」というところは当て振りなんだろうなと思ったら、やっぱりそうだった。当て振りというのは、まぁ、「琴を弾いているふうな踊り」、「三味線を弾いているふうな踊り」ということだ。その次の歌詞が「踊りの稽古」なので、ここは「踊っているふうな踊り」になるわけで、そう考えるとやっていてなんだかおもしろかった。
2月に海外公演があるので、ビザの申請用に写真を撮った。客観的に見ると、私の顔ってこうなのか、とちょっと愕然とした。毎日鏡で見ている顔は、(左右逆というのは差し引いても)自分の顔についての主観的な解釈なんだなぁ。
刑事コロンボ『二つの顔』を見る。以前ももちろん見てるんだけど、そのときはゲストスターのマーチン・ランドーのことは知らなかった。いまはスパイ大作戦で毎日のように見ている顔なので、どれどれマーチン・ランドーさんお手並み拝見といこうじゃありませんか、みたいな見方になったのは否めない。あぁ、人と挨拶するときにお辞儀みたいにちょっと頭をさげるのは、この人のくせなんだなぁとか。そしてあいかわらず、笑顔がすてきだった。挫折を知らない、屈託のない、さわやかすぎるような笑顔。
双子の兄弟をランドーが演じているんだけど、二人が実際に一つの画面の中で向き合ってしゃべるシーンは1つしかなく、代役の人が後ろ姿などで出ているシーンもごくわずかで(あまり背格好が似ていないように見えた)、多くのシーンでは、カット割りやカメラの動き、俳優の目線で、別撮りの映像をうまくつないで、同じ室内に二人がいるように見せていた。お見事!と思いました。
NHKのBSでいま小津安二郎特集をやっていて、きょう、ふとTVをつけたら『東京物語』の、お父さんが夜中に酔っぱらって杉村春子の家に帰ってきて、お店(美容院)の椅子に座ったまま寝ちゃったところだった。ついつい最後まで見てしまった。前に見たのは15年前くらいだったかな。いま見ると、杉村春子が自分より若そうで、まずびっくりした。前は、なんて自分勝手なことばっか言ってるんだろうという気持ちしかなかったけれど、今回は、なんか許せる感じがした。最後のほうで原節子が言うみたいに、悪気で言ってるじゃないんだろうと思えた。
そして夜中にきょうも見てしまった『スパイ大作戦』は、副首相クドノフ役のDavid Opatoshuという人が、小津安二郎に似ていた。12月12日は、小津監督の、誕生日で命日です。
2月の旅公演に向けてのミーティングがあり、朝から出掛ける。忘れ物をしてとりに戻ったり、コンタクトが外れたり、慌てているときに限って、まったくもう。
ミーティングの後、美容院へ。9月にきつめのパーマを掛けて以来だったが、美容師さんに、
「いまの髪型は、イラストレーターの安齋みたいだよ。空耳アワーの。あの人は前髪はないけど」
と言われてショックを受けるが、たしかに鏡の中の私はそんな感じだった。
「来年の、2月はきれいな姉さんをやるので、それはまたパーマ掛けてもらいに来ます。で、6月には髪をアップにまとめられるようにしたいんだけど、まずはその前に22歳なので、よろしく」
と言ってカットしてもらう。22歳というのは『かもめ』でマーシャをやるから。
さっぱりと軽い頭で心も軽く、アトリエ春風舎へ、青年団若手自主企画『月とスプーン』を見に行く。食事と時間調整のため、駅前のファミレスへ。禁煙席は混んでいて、すぐ隣のテーブルにも人がいて、その中年の二人は職場の同僚なだけなのか、不倫相手なのか、不倫とまでは行かなくてもちょっと好きなのか、話の内容も口調も、とっても微妙(敬語とタメ口が混ざる、なんだかはしゃいだ感じがする、デザートを「あんたが食べるなら食べる」とお互い相手に合わせている、でも嫁とか孫の話もしている)。ついつい耳をそばだててしまった。
帰ってきたいえの人が電源を入れたら、コンピュータはなんの問題もなく作動した。きのうのは、なんだったんだろう。
ポテトサラダに、きょうはツナ缶を入れてみた。ポテトはくずれるくらいのやわらかめにゆでて。あと、みそ味のナベを作ったら、それでもう満腹になってしまって、炊いた白ご飯がまるまる残ってしまった。明日食べよう。
目がさめて玄関で音がするので出てみると、知らない男子だったけど、私の知らないお客さんが来ることもあるだろうと思って「いらっしゃい」とか適当に挨拶して、家の中を見ると、なんだか様子がおかしい。ここは畳の部屋じゃないはずだし、調度もその色調もちがう。ねぼけているので目をつぶって2、3歩歩くと、何かにぶつかった。目をあけるとそれはふっと消えていったけれど、消える前の一瞬に見えたのは、本来の私の家のそこにあるはずの家具だった。見えている世界と実際にいる世界がちがう! がくぜんとして家を出る。夜だ。さっきの男子が追いかけてきて、自分もそうだと言う。彼には私の家が見えてるんだ。「こうやって片目で見ると、(本来の場所が)見える」と教えてくれた。そこへ、同じように当惑顔のおばあさんがやってくる。三人で空を見上げるとすごい星空で、それもそのはず、いくつもの星空が重なってるらしく、あっちにもこっちにも、もう空じゅうにオリオン座が見えている――という夢を見た。夢は記録しないことにしているんだけど、おもしろかったので。
いつも使ってるコンピュータが、ネットワークにつながらなくなってしまった。ゆうべは、オイルヒーターと同時に掃除機を使ってブレーカーを落としてしまったし、機械に強いいえの人がいないときに限ってこんなことばかり起こる! 旅公演に持って歩いているノートパソコンでメール送受信をできるようにして、なんとか対処。
駅前で、右翼の人たちがスピーカーで何か言っていた。あぁ、きょうは12月8日、太平洋戦争の開戦の日。
銀行におつかいに行き、帰りに、カリフォルニアの友へのクリスマスプレゼントを買う。毎年ギリギリになってしまうなぁ。駅ビルでなんでも揃うのは便利でありがたい。漢字の本、日本に関する英語のエッセイ、ハガキを飾るすだれのようなもの、日本のお菓子を買う。昨年は半分冗談で、個包装になった梅干しもあげたんだけど、まずくて「これはジョークか」と言ってきたっけ。
蛸研究会のホームページの蛸クイズに、このようなものがあった。
問題:世界で一番おおきいタコは? A マダコ B ダイオウダコ C ミズダコ存在しない蛸の名前が選択肢にあるんだ……。人生、一筋縄ではいかないもんだ、と思った。
答え:C ミズダコは全長3m以上になる、マダコは全長1m程度、ダイオウダコは存在しない
日舞。手習い子、ちょっと進む。
- 右左回る、左右回る
- 「道行き」引き合い→右足トンで回る
- なんか「みだれ髪」のポーズみたいなの
- 右手トン、左手トン、右手トン
- 左手付いてごろん、首振り
- 低→高→低(方向が不明)
- 髪に手、首
- ワイパーみたいに高低するヤツ
- ぐるーっと回って
- あごに手、首
いまになって気づくのもなんなんだけど、家に帰って復習をしていて、歌詞やメロディー、伴奏と振りを関連づけて覚えると覚えやすいはず(つまり、習いに行っていきなり曲も振りも覚えるのではなく、先に曲だけ聞いて覚えておけば楽なはず)と気づき、次回やるであろうあたりまで先行して曲を聞いてみた。
『もう風も吹かない』Bチームのゲネプロを見たかったんだけど、朝10時からで、起きられなくて行けなかった。3時からの本公演マチネを見に行く。大学生のとき一緒に英語劇に出たことのある人で、いまでは翻訳とか研究とかでバリバリの人に、何十年ぶりってくらいでばったり会った。弟子です、といって学生さんを連れていた。
10月半ばに重い物を持って以来、左手首が痛くて、そのうち治るだろうと思っていたのだけど全然よくなる気配がなく、もうそろそろ演劇の稽古(『かもめ〜第二章〜』やら『東京ノート』海外公演)も始まる時期になったので、ソフトカイロに行った。きょう一回で相当楽になった。あー、早く行けばよかった……。
友から、翻訳を「好意でやってもらえませんか」と頼まれる。なんていさぎのいい依頼!
これは数日前のことなんだけど、翻訳で、脚本のト書きの"Lights go out."、"Lights come back up."を日本語にしようと思って、調べてみたり、舞台照明家である、いえの人に聞いたりしたところ、「照明が消える」とか「照明が点く」に該当する日本語の舞台用語がないということがわかってきて、ちょっと驚いた。のでここに書いておくことにする。
「溶明」、「溶暗」という言葉があるけど、これはフェードイン、フェードアウト、すなわちだんだん点く、消えるという意味だから、もっと限定されている。照明が消えて真っ暗になるのをよく「暗転」と言うけど、これは誤用なんだそうだ。暗転というのは、暗い中で転換を行うこと。同様に、「明転」は明るい中で転換を行うことで、照明が点くという意味で「明転」と言っている場合がときどきあるがそれはまちがっているそうだ。『バタビア!』の脚本で思いっきり使ってしまった……。
そして、きょうの話。CMのオーディションに行った。何時に家を出たらいいかゆうべのうちに駅前探検倶楽部で調べておいたのに、何をどうまちがえたのか1時間カンチガイをしていて、はっと気づいたのは、お風呂の中で、いま家を出ればギリギリ間に合うという時間。ガーッと服を着て、化粧道具は持って、ダッシュ。はじめて、電車の中でメイクしました。オーディションは、公園で。子供が見てた。結果はいかに……。
深夜、「スパイ大作戦」を見る。いま、第1シーズン(リーダーがダン。ジムになるのは第2シーズンから)。きょうは、マフィアの大物をおとしいれて破滅させる話。IMFとマフィアの間でおろおろドキドキするイタリアンレストラン店主の、協力はするけどやっかいだなぁ、という感じがおもしろかった。
スーパーチャンネルで、TNG Cause and Effect/恐怖の宇宙時間連続体 (5, 118)を見る。お気に入りエピソードである。今回、気になった点が2つあった。1つは、せっかく次のループにメッセージを送ることに成功したわけだけど、そのループでは次のループへメッセージを送る準備をしていない、という点。ストーリー的には次のループが始まる前にループから脱出できるわけだから必要ないっちゃ必要ないんだけど、クルーたちは、そんな未来のことは知らないわけで、必死で解決策を探せばやっぱり次のループにメッセージを送ることを考えたんじゃないだろうか、と思った。もう1つは、自室でグラスを倒すときのビバリーの動きが、先を知っている意地悪な目で見ると、ちょっとだけぎごちなく見えたこと。「倒すぞー」という意図が、ほんのちょっとだけ見えるような気がした。とか言ってるけれど、やはりこのエピソードはすごく好き。
五反田団マチネの受付を手伝い、その後、マチネとソワレと見させてもらった。『おやすまなさい』は、登場人物が二人(すごく強引に説明すると、眠くない人と眠い人)で、そのどちらを男女のどちらがやっても成立する台本だと思う。今回は「女X女」、「女X男」の2バージョンあった(この他に「男X女」と「男X男」という組み合わせが可能だと私は思っているわけです)。あー、私もやりたいなー。眠い人の役で、眠くない人に振り回されてみたいです。
昨年度の『はじめての劇作 戯曲の書き方レッスン』に引き続き、今年も、劇作家協会が出版するアメリカの演劇書の翻訳を1冊引き受けていて、きょうその原稿を出版社に提出した。これからまた直しが入ったりするわけだけれど、とにかく一旦全部翻訳し終わったわけで、ホッと一息。
『東京ノート』の装置制作作業の、きょうは最終日(私は11月26日ときょうの2日間しか参加できなかった)。「作業が残って明日また来るよりは……」ということで、きょうは予定より遅くまで作業。帰りに、数人でちょっと飲む。
昨年6月にイタリア人演出家ジャンカルロ・ナンニさんのワークショップを受け、その発表会としてチェーホフ作『かもめ』の1幕と2幕を森下スタジオで公演したんだけど、その続きをぜひやりたいですねという話があって、それがとうとう実現することになり、きょうはその顔合わせだった。『かもめ〜第二章〜』という公演タイトルだけど、後半だけやるわけではなくて、一幕から四幕までの全体(を構成し直した台本)だ。
一部キャストがかわり、花組芝居からは大井さんが参加する。大井さんと一緒の公演は『われらヒーロー』以来だ。今度はどんな『かもめ』ができていくんだろう。わくわくする。