夕方から恒例の家族飲み会。
年内の稽古最終日。
今週、連日、東京デスロック稽古。疲れと時差ボケをずっと引きずっている。今日は稽古がお休みで、みんなで東京観光に行く日だった。この作品を一緒に作っていくうえでぜひ行ったほうが良かったんだけれども、まだまだ体調が戻らないので、私は欠席させてもらい、いえで寝ていた。
東京デスロック「東京ノート」の稽古に再合流。家にマスクが一箱あるのに、持って出忘れてコンビニで買う。疲れと時差ボケで、休憩時間には横になって寝ていた。
無事帰国。無事帰宅。夫と食事。
最終的に荷物をまとめる。最後に捨てるつもりで持ってきていたジャージとズボンを捨てる。具合が悪くなる前に大量にゆでてしまって食べられなかったキノアも捨てる。食べ切れなかったチーズやバターやオリーブは、ジプロックに入れて持って帰る。
ホテルをチェックアウトして、劇場へ。最終的な荷造り、梱包。空港への出発まで時間があいたので、徒歩15分のモノプリへ最後の買い物に行く(あー、やっとこのくらい元気になってきた)。前回、「東京ノート」で来たときにはすごくおしゃれでステキなスーパーと思ったんだけど、今回そうでもなく見えるのはなんでだろう。私がかわったのかこの店がかわったのか。
まだフランスに残る人たちと別れて、バスで空港へ。PAULのサンドイッチは5ユーロで、高かったけど、おいしかった。免税店でホントに最後の買い物。そして一路日本へ。
飛行機の中で、行きに7分でリタイアした「最強のふたり」に再挑戦。今度は最後まで鑑賞。良くできた感動的な映画だったけれど、最初のカーチェースのシーンはやっぱり要らないと思った。時系列順に、面接のところから始めれば良いのに。観客の興味をひきつけておけるようにあのシーンを冒頭に入れたのだろうか。そんなことをする必要はないのに、と私には思われた。それと、最後にモデルとなった本人たちの映像が入ってるのもどうなんだろかと思った。「この世の花――長岡花火物語」の終盤にやっぱりモデルとなった人たちが出てきたときと同じような違和感があった。
海外公演の楽しみの一つは買い物。なのに今回風邪でダウンしてぜんぜんショッピングに行けていない。今日はなんとか調子もだいぶよいので、集合の前に出掛けてみた。ホテルの近くからパリ市街地へは、EREで行く。昨日みんなと乗ったから、今日は一人でも大丈夫だい、と思ったら、自販機は故障してるし窓口に人がいない。それでもしばらくすると係りの人が来たので、無事に切符を購入。ホームで待ってたら、これから別のプロジェクトの打ち合わせに出掛けるという人たちもやってきたので、一緒に乗っていく。
地下鉄に乗り換えて(昨日と同じだから、一人でも大丈夫だい)、サン・ラザールへ。前にも来たことのあるショッピングモールで、洋服を見て、下着を見て、雑貨を見て。店頭で見かけた合皮のチープなライダージャケットなども、サイズがあったので、買ってしまう。こういうときの決断は早いです。
いったんホテルに戻り、一休みして劇場入り。カフェに寄ったら、アブドゥルがミントティーをご馳走してくれた。
最終日の公演も無事終了。
誘ってもらって、おいしいシーフードの店にランチを食べに行った。初外食だよ。まだ本調子ではないので、魚のスープだけとって、メインはパス。そしてデザートをがっつり食べる作戦だったんだけど、頼んだものが洋酒たっぷり含んだクレープで、これは全部食べたら酔っ払ってしまうのでちょっとだけいただく。街をぶらぶらするという人たちと別れていったんホテルに帰り、休息。だいぶ回復したとはいえ、まだ、体温調節がうまくいかない感じがある。
公演のほうは、相変わらず、満員で、好評。
風邪っぴきにはショウガが良い、と教えてもらい(自分でも知ってたはずなのに、ぜんぜん思いつかなかった。まだ熱でぼんやりしているのか?)、スーパーで買ってきて、おろす道具はないのでみじん切りにして、紅茶と蜂蜜を入れて飲んでいる。
友だちが、喉を痛めたときにすると良いマッサージ、というのを教えてくれたので、試そうと胸元に手をあてると、ガチガチに凝っていた。こりゃつらいよね。なでると、すーっと楽になっていく。いろんな人に支えられている。本当にありがたい。
休演日。パリ在住の友だちと会う約束をしていたのだけれど、体調が回復しないので、キャンセルさせてもらう。おかゆを炊いて食べたりして、部屋で一日寝ていた。
寝ていたらドアにノック。お掃除のお姉さんだった。掃除はいいからトイレットペーパーだけちょうだい、というつもりだったんだけど、トイレットペーパーを私に手渡すとお姉さんはどんどん部屋に入ってきて、どんどん布団をどけてシーツをはいで、ベッドメークをし始めるので、椅子に座って待ち、きれいになったベッドにもぐりこむと、お姉さんは床に掃除機をかけ、バスルームのほうもちょこちょこっと掃除をして出ていった。病気の子供のように、それをぼんやり見ていた私。
きょうは今回の旅の唯一のオフ日で、友だちに会ったり買い物をしたり美術館に行ったり、いろいろ考えていたんだけれど、病気をしたせいでどこにも出掛けられなかった。残念。長旅で疲れていたのに寒い中がんがんに徒歩移動を繰り返したのが良くなかったんだろうと思う。日本では風邪予防のためマスクを着用していたのを、こちらではマスクしてる人なんかいないので急にやめたのも、よくなかったのであろう。冬のパリは寒い寒いと言ったって前にも寒い中2カ月いたことあるしわかってるよ、なんて思ってたのが甘かった。乾燥にも、もっと気をつけるべきだった。
反省し、休養する。演劇をしにきたので、演劇だけはきっちりやらないとね。
部屋で寝ていたら、友だちが、サラダ作ったけど食べる?と電話をくれた。食べる!と答える。美味しいサラダとパンをありがとう。夜になって、別の友も、おみやげ!と言って雪だるまの形をしたチョコを持ってきてくれた。ありがとう。
今日は、内田樹の「街場の文体論」を読んでいた。フランスの格差社会について論じている部分があり、それをいままさにフランスで読んでいるのはなんだか面白かった。あと、おわりのほうの、内田先生が院生のときにフランス語が読めるようになったときの決心の部分を読んで泣いた。内田樹の文章を読んで泣けてきたのは初めてだった(あまり数読んでいないですが)。
2日めのきょうも、声の調子はあまりよくない(特に冒頭。そのうち、だんだん大丈夫になっていく)。そして、舞台が寒くてたまらないが、客席のほうは暑いくらいだそうで、これ以上暖かくはできないと言われ、衣裳のスリッパに使い捨てカイロを貼り付けてしのぐ。
冬の旅のときは、いつもだいたい念のためと言って使い捨てカイロを持参して、結局使わずに持って帰ったり現地に住んでる人にあげて帰ってきたりしてたんだけど、今回は持ってきて本当に助かりました。
一昨日からずっとまったく食欲がなかったのが、今日の公演中、「あ、お腹がすいた」という瞬間がおとずれた。よし、これで快方に向かうはず。でも油断は大敵、慎重に!
きのうは終演後すぐ帰ってしまったけれど、きょうはロビーに残って、お客様とも話す。何人もの人が、「よかったです」と声をかけてくださった。以前この劇場で上演した青年団の「東京ノート」を見たという人や、大阪公演を見たという人も。劇場のカフェのアブドゥルにもやっと今日挨拶できた。
ネットでレシピを調べ、キノアを炊いてみる。しかし、食欲がない。食べなければ身体がもたないと思うから食べるけれども、まったく食欲がない。
劇場の近所の薬局で、喉スプレーを購入。最初、バリバリにケミカルっぽいのを出してきたので、アズレン入りのはありますかと聞いてみるが通じない。新たにプロポリスのを出してきてくれたので、それを購入。「スプレーは1日2回。後は飴をなめなさい」と言われる。楽屋で開封し説明書きを見ると、1日4回とあった。
渡仏直前に風邪を引いたという人が、今の私とまるっきり同じ症状だそうで、もう治ったからといって薬の残りをくれた。今回、熱をはかって発熱を確認したらそのショックでダウンしちゃいそうなので熱ははかっていない。だから実際どうなのかはっきりしないんだけれど、たしかに薬を飲むと調子が落ち着くように思う。
白湯を飲み、喉スプレーし(2回とか4回とかちょっとかまっていられなかった)、なんとか初日の舞台を終える。最初はたしかに少し声がかすれてしまったが、中盤からは大丈夫だったと思う。水面下で私はそんな状態だったけれど、公演自体は好評で、カーテンコール4回。
初日乾杯があるようだったけれど、とにかく体調が悪いので先に帰った。
朝起きると、下半身の関節がギリギリと痛い。そういえば頭痛もする。きのう、おととい、寒い中を、ホテルから劇場(20分)、劇場からモノプリ(15分)と何度も歩きすぎたせいだろうか。体調が悪いと気持ちも沈んでかたくなになりがち。友人のアドバイスで、深く呼吸し、白湯を飲む。
ゲネ中、だんだん喉がアヤシくなってくる。風邪か? とうとう風邪をひいてしまったのか? ときどき声がかすれそうになる。
窓から見える空が白く曇っている。きょうは部屋でご飯を炊いた。電磁調理器の扱いに慣れてなくて火力調節がうまくできず、ちょいと焦げ臭い炊き上がりになった。米はきのう購入したリゾット用の米。ポテト、ズッキーニ、鶏肉のハム的なもの、オリーブをバターで炒め煮にしたおかずと一緒に、美味しくいただく。
昼頃、近所のスーパーに買い出しに行く。ネギ、ブロッコリー、マーシュ(こないだ買ったのはマーシュじゃなくてちびほうれん草だった)、チョコレートを買う。キノアなんかも、買ってしまう。手荒れがひどくなったので、ハンドクリームも購入。さっそく、手にも足にもすねにも塗りたくる。
3時の集合の前に、モノプリの隣の美味しいパン屋さんで、トマトモッツァレラサンドを買う。バジル味のおいしいバゲットサンドだったけど、パリパリで唇も口の中もキズだらけになる。ま、美味しいから良いけれど。
夕方までは、ロボットの調整の時間。プラス、アンドロイドの取材が入ったり。夕食後に、場当たり開始。あともう少しで終わるとこまでやって、10時半に終了。残りは明日の午後。
きょうも、歩いて帰る。曇っている今日のほうが、晴れてる昨日までよりも、寒さが穏やか。
よるごはんに、ブロッコリー、ネギ、ズッキーニ、ドライトマトを煮て、今朝の残りのおこげご飯も足して、しょうゆと塩コショウで調味。盛り付けてから、ちょっと物足りなくて、ヤギチーズを投入。スプーンで小さく刻んで混ぜながら食べたら、ちょうどよいくどさで美味しかった。
ホテルの朝食は、パン各種、飲み物各種、シリアル、チーズ、ハム、フルーツなど。バターやチーズがこんなにあるなら、きのうスーパーであんなに買わなくてもよかったなぁ。かたゆで玉子がかすかに酸っぱい。前に長期泊まったパリのホテルも毎朝そうだった。悪くなってるとかではなくて、酢をだいぶ入れてゆでてるんだろうと思う。
みんなで、ホテルから劇場まで歩く。寒い。まわりの木々や草に霜がおりてるし、水たまりには氷がはっている。
きょうの予定は、一日じゅう舞台の仕込み。お昼は、パン屋さんのパンとスーパーで買った食材で、各自サンドイッチを作ってもらう。フランスに来るといつも、パンと乳製品のおいしさに感心する。野菜もおいしい。きょうは、ラディッシュが、やわらかくて味わい深くて、何もつけなくてもとてもおいしかった。私は舞台まわりの仕事はしなくて、楽屋のほうで主にあれこれしていた。外に何度か買い物にも行った。
俳優は夕食前に解散となり、寒いのでタクシーで帰ってもよいと言われるが、私は歩きたくて、数人で歩いて帰る。スーパーに寄って、きのうよりは冷静になって、ちょびっとだけ食材を買う。ポテトとかズッキーニとか。
きょうこそ火を使った料理をするつもりで、その前にまずはサラダ、と思ってちびほうれん草の上にタブレとトマト(あらみじん)を乗せたもの、かたくなったバゲットを薄くスライスしてヤギチーズとドライトマト(の戻して味付けしたもの。きょうふらっと買ったんだけどむちゃくちゃおいしかった!)を添えたもの、を食べ始めたら、それでお腹がいっぱいになって、きょうも火は使わず。
今回、「気は楽」と言ってばかりいるような気がするけれど、これは準備したり予想したりの結果出てきてる言葉なんで、けっこうポジティブなことなんだよ。
div class="date">12/11/2012(火)