つれづれなる日々

今月の日記に戻る
トップページに戻る

2003年3月の日々

『ヤルタ会談』(イメージ)


03/31/2003(月)

きょうもきょうとて『バタビア!』の稽古。4月になって『ヤルタ会談』の稽古が始まると、もう今みたいに毎日は顔を出せなくなる。翻訳者としての仕事はそろそろ終わりなのでちょうどいいんだけど、少しさびしい気もする。

夜は『忠臣蔵・OL編』の受付を手伝い、千秋楽の公演を観る。きょうもやっぱりおもしろかった。終盤の、じゃぁ討ち入りすることにしよう、江戸に行ってパッとやって……、と大石がしゃべる台詞が、いい。私も言いたい。

打ち上げで食べた、塩漬けブタがおいしかった。豚肩ロース固まり肉に塩をすり込んで一晩置いて、それをゆでたんだそうだ。今度やってみよう。


03/30/2003(日)

この2、3日、劇団のホームページの仕事をガンガンやった。最近は、HTMLファイルを書くっていっても、日記など定型のものばっかやってたから、新しく「こういうレイアウトで、こういう情報を載せたい」というたぐいの作業は、ずいぶん久しぶりだった。同じような表をいくつもいくつも作ったり、色の指定をしたり、「クリエイティブ」と「単調」のバランスが独特で、なかなかおもしろかった。

きょう、新しく知った英単語:recondite ほとんど知られていない、難解な、という意味。


03/29/2003(土)

夜、家にあったスナック菓子をぽりぽり食べていたら、家の人に、
「激痩せするんじゃなかったの?」
と言われた。そうだった、先週、「激痩せ」宣言したのでした。忘れてた。具体的にどうするかとかもまだぜんぜん考えないうちに、もう忘れてた。とほほ。

日本劇作家協会が発行する(ブロンズ新社刊)、『はじめての劇作 戯曲の書き方レッスン』(デヴィッド・カーター著)という本の翻訳をしたんだけど、できあがった本をきょう初めて見た。落ち着いたセンスのいい表紙で、嬉しかった。


03/28/2003(金)

『バタビア!』の稽古。いま俳優は、「台本を持たずに稽古する。でも、わからなくなった場合プロンプしてもらってよし」という段階。毎日1回は通し稽古をしているが、きのうまでは私はプロンプを入れるために台本上の台詞を目と指で追っていて、演技とか全体のこととかはあんまり見れてなかった。きょう初めて、そういうところを見る余裕が少し出てきた。『バタビア!』のキャストは男性3人。いろんなことが三人三様で、おもしろい。

夜、『忠臣蔵・OL編』の公演をアゴラで観る。平田オリザ作の『忠臣蔵』は、最初に台本を読んだときから好きな作品だ。いつか私も出演したい。


03/27/2003(木)

気弱でさびしいこんな夜は、早く寝てしまうに限る。寝て、起きたら、また元気になる。


03/26/2003(水)

空きっ腹に日本酒を飲んで、案の定飲み過ぎた。


03/25/2003(火)

きのうで公演の終わった、THE SHAMPOO HAT『青空』は、強引に一文で説明しようとすれば、
「10年以上会っていない兄がガンで余命いくばくもないと兄の恋人(男性)から連絡を受けた弟が、兄の姿をドキュメンタリー映画として残して両親に見せたいと、撮影スタッフを連れて兄の部屋にやってくる」
という話だ。初日に観てものすごく気に入ってしまい、御招待していただいた分も含めて、都合5回観に行ってしまった。あの世界、あの時間に、もう一度触れたい、また出会いたい、そういう気持ちが抑えられなかった。

なんでこの作品にこんなにも心惹かれるのだろうか。3回めに観てわかってきたのは、そこに繰り広げられている世界そのものに惹かれているというのとはちょっとちがって、自分自身の人生との関係で、いまこの作品にたいへん心が動いているらしいということだった。

人はいつか死んでしまう。愛する人もいつか死んでしまう。私は、「愛する人がいなくなったら、その時は人間はひとりでも生きていける」と、悟ったようなことを言っていたものだけど、『青空』を観て、自分はホントにそう信じているわけじゃなくて、そう信じたほうが生きていくのがつらくないからそう信じていたいだけなんだ、ということに気づかされてしまった。

死んだら、自分がこの世にいたことは忘れられてしまって、なかったのと同じことになる。そういうものだ、それでいい、とやっぱり悟ったような気になっていたけれど、ホントに心からそう納得しきっているのではなく、やはりそう信じないとむなしすぎるからむりやりそう思い込もうとしているのだ、ということも、この作品で突きつけられてしまった。

そういう、毎日を平穏無事に生きていくために強引にそして無造作に「解決済み」にしていたあれやこれやについて、考え直すことを強要されてしまった。30過ぎて人生楽になったなんて、まやかしのごまかしにすぎないじゃないか、と。いますぐガンで死ぬという状況でないだけで、あの兄が直面してあがいている問題は、あまりにも私自身の問題なのでした。

そういうことを考えることを余儀なくされちゃって、その辺の目盛りがとても細かくセンシティブになっちゃって、いままだ日常生活が少しぎくしゃくしてしまっている。でも、たぶん、いろんなこと考えながらも、じきに普通レベルに戻れると思う。現実じゃなく演劇でよかった、立ち直れないほどのダメージを受けることなく、自分の人生について考えるきっかけを得られて。

観た友人たちと話していておもしろかったのは、だれに感情移入して観ていたかということだ。多かったのは「弟」と「恋人」で、場面によってちがうという人ももちろんあって、他に挙がったのは「ディレクター」、「下の奥さん」。私みたいに「兄」という人は少数派らしい。あと、
「あまりにすばらしくて、くやしかった」
と言った演劇関係者が何人かいて、言われてみるとそういうふうに思うのは当然だと思うんだけど、私だって作り手側なのにまったくそういうふうに感じていなかったことに気づき、ちょっと驚いた。完全に一人の観客として、またあの世界に出会いたいという思いだけで劇場に通っていた。いまこの作品に出会えてよかったです。去年や来年だったら、またぜんぜんちがうふうに感じたと思う。


03/24/2003(月)

22時間以上起きていた。


03/23/2003(日)

ちょっと時間をつぶしたかった。そういえば頬紅を買いたいと思っていたので、化粧品とか売っている店に入った。まず、私がほしいような色が、あまり売っていない。あ、これはいいかも、と思ったら、ちょっと高い。この色と値段だったらいいかも、と思うのがみつかって、ふと裏を返して成分を見ると、身体に悪そうな名前が列挙されている。きっと、いままで使ってたのだって、同じような成分でできているんだろうけど、「酸化鉄」とか具体的に言われると尻込みしてしまって、結局買わずに店を出た。化粧をするとはどういうことなのか、自分の肌に対して何をしてるのか、自覚的になりなさいよ、とだれかに言われたような気がした。


03/22/2003(土)

あまりにTHE SHAMPOO HATの『青空』が気に入り、こういうときはもう身を任せてしまうしかないので、観れる回はどんどん積極的に観させていただいている。初日と楽日しか行けないはずだったんだけど、『バタビア!』の稽古スケジュールが変更になって、何度か観れるようになったのです。

なんでこの作品にこんなにも心ひかれるのか、3回めの観劇にしてようやく少しわかってきたように思う。人生の中の自分の位置と、微妙に内容がシンクロしている。具体的なシチュエーションはぜんぜんちがうんだけど。そして、「究極的には人間は一人で生きていける」と信じている自分は、ホントはそう信じてるんじゃなくてそう信じたいだけなんだ、という辺りに気づかされて、ヒリヒリしている。ということでもあるらしい。


03/21/2003(金)

友とベトナム料理店に行った。私が頼んだご飯が八角のいい匂いをさせて運ばれてくると、隣の席の人たちが、魔法にかけられたみたいにすぅーっといっせいにご飯の後を追ってこちらを向いた。アメリカのアニメだったら、曲線になった匂いが鼻に吸い込まれていく、そんな感じだった。
「おいしそうな匂い、した?」
「おいしそうですね。なんていうヤツですか」
「豚肉と卵の煮付けどんぶり」
「今度頼んでみよう!」
おいしい食べ物って、いい。


03/20/2003(木)

5月、6月に出演する『ヤルタ会談』の台本を読む。過去の戦争の話が、ぜんぜん過去に思われない。


03/19/2003(水)

ふと気を抜くと、きのう観た公演のことを考えてしまう。空を見ても、あの人たちがあの6畳間から見上げていた空のことを思ってしまう。湯あたりのような「シャンプーあたり」、重症。


03/18/2003(火)

TVをつけたら、「アメリカの主婦の一工夫!」みたいな番組をやっていて、
「切手の節約。封筒の宛名を書き間違えちゃったら、鍋に沸かしたお湯に切手部分を10秒つけると、ほら、こんな簡単にはがれます。でも、乾かして、次に貼ろうとしても、もう糊がついてませんね。そのときは、封筒の口のところをこうして(封をするための糊のところをべろべろーっとなめる)、ここに切手をこすると、ほら、また貼れるんですよ」
せ、せこい。せこすぎる。そして、鍋にお湯を沸かす光熱費は、水道代は、と考えると、結局節約になっていないんじゃないだろうか。つうか、間違えたとこを修正液で直すとか、かわいいシールを貼ってごまかすほうが楽じゃなかろうか。つうか、普段から、宛名を書いてから切手を貼るようにしてればそれですむことなのでは? つっこみどころ、満載である。私は、マーサ・スチュワートの番組みたいなののほうがいいな。どうせ実践できっこないんだけど。

夜、THE SHAMPOO HAT『青空』を観に行く。シャンプーハットは、生で観るのは、実は初めてだ。前回のシャンプーの公演には自分も出演していたとか思うと、開演前なんだか緊張して(って客席で私が緊張することないんだけど)、早く始まらないか、早く始まらないか、と胃がきりきりするみたいだった。始まると、ぽかーんとした別の空間が舞台上に広がって、張りつめたような張りつめてないような空気が、よどんだり流れたりしていった。人々の表情から、目が離せない。終わってロビーに出た私は、湯あたりした人のように、ぼーっとしていた。そんな、シャンプー初観劇でした。好きな劇団が、1つ増えた。公演は、3月24日まで、下北沢ザ・スズナリにて。


03/17/2003(月)

昼夜逆転なのかなんなのか、もうわからなくなってきた。出掛けていくところがないと、生活にリズムというものがまったくなくなってしまう。ていうか、眠くなるまで寝ないのがいけないんだろうけれど、眠れないで横になっているのがきらいなのだ。

きのうから、汁かけご飯的なものが気に入って、やってみている。フレーク状になっているホワイトシチューのルーを使う。豚肉とタマネギとか、タマネギとダイコンとか、まず炒めておいてから水を足して少し煮て、シチューのルーでとろみをつけてご飯にかけて食べるのである。ケチャップを足してトマトの色と風味をつけたりね。一人分をちゃちゃっと作るのに便利。


03/16/2003(日)

「人生はフリーマーケットだ。すべてが交渉可能であり、自分で交渉した分しか手に入らない」
Life is a flea market. Everything is negotiable and you earn only what you negotiate for yourself. (Alan Siegrist)

私は、駆け引きがきらいで、値切るのもふっかけるのも、気が進まない。定価販売が、気楽で好きだ。でも、そうも言っていられないこともある。ていうか、そう言ってられないことばっかりだ。がんばれ、私。

『バタビア!』は、追加のシーン関連の稽古をしたあと、台本を持って通し稽古。その後、ダメ出しの部分を返し稽古。これからは、一日一回は通すという。

できあがったチラシを初めて見る。スーツの男3人の、なかなか雰囲気のあるチラシ。


03/15/2003(土)

『バタビア!』の稽古は、きょうはオフ。一部、シーンの順序が入れ替わったり、ト書きが変更になったり、新しいシーンが追加になったりしたので、あらたに台本をプリントアウトし直して明日の稽古のときに配ることになっている。と思うと、まだまだ直したくなって、あんなとこもこんなとこも手を入れてしまう。

なかなか台詞が確定しなくてキャストには申し訳ないと思うけれど、作者・演出者の意図に沿った訳で、しかもちゃんと台詞としてしゃべれる言葉にしたいので、やはり、全シーンを一通り稽古するまでまだ少し変更が入ると思う。

キャストのほうからも、「その関係性だとすると、この台詞はこうしたほうがいいのでは?」とか、「ここだけいきなり書き言葉っぽいのはわざと?」とか、提案や質問が出てきていている。演出チームからも意見が出てくる。それに、稽古場で俳優が言いにくそうだったりいつも言い間違えていたりすると、それは発語不可能な台詞を私が書いたからかな、と思って、それが考え直すきっかけになったりもする。そうやって、いろんな人のいろんな観点から、台詞が吟味されていっている。みんなで寄ってたかって訳文をよくする、というのは、前から私が理想だと思っていた翻訳の進め方である。今回それにとても近い形で進んでいて、たいへん興味深い。


03/14/2003(金)

バリーが、予定より一日早く、きょう、追加分の原稿をくれた。ありがとう、助かります!

桃唄309公演『俺たちの進化』を観る。うん、たしかに、俺たちの、進化の話だった。何世代もの時が、流れていく。変わっていくもの、変わらないもの。語り継ぐ者。暗転なしでオーバーラップさせながら話を進めていく桃唄の手法に、さらに磨きがかかっていて、長い長い人類の歴史の時間が、するするするする流れていった。

『バタビア!』追加分の翻訳を始める。他のシーンにも出てくる、統一した訳をあてたい表現があって、まだいろいろと迷っている。考え過ぎなのか、よく意味がわかっていたはずの部分まで不安になってきて、バリーにメールで確認したり。追加分は一通り訳し終わる。他のシーンと同じ台詞のとこも多かったから、思ったほど大仕事ではなかった。日曜の夕方までまだ時間あるし。よかった、よかった。


03/13/2003(木)

『バタビア!』の稽古は、
「次回、これこれのシーンをやります」
とあらかじめアナウンスがあって、それに沿って進めていっている。きょうは、予定のシーンをすべてやってもまだ時間があり、さらに2シーンほど稽古した。英語で読んでも日本語で読んでも、読むだけではわからなかったことが、俳優が立ってしゃべっているのを見て、わかってくる。別に翻訳をまちがえていたとかそういうことでもなくて。

バリーが、1シーン追加するので、追加分の原稿を土曜日に私にくれるという。それはいいんだけど、
「日曜日から完全原稿で稽古します」
とみんなに言ってるけど、それは、私に一晩で1シーン訳せってこと?
(シーンごとの長さは割と短いので、「1シーン」ったって2ページとかなんですけれども)


03/12/2003(水)

詩の朗読みたいなシーンがあって(『バタビア!』です)、詩らしく訳すことに精一杯がんばったら、しゃべってる人の「感情」を無視し過ぎちゃって、これではバリーの演出にぜんぜんあわないことがわかり、そのシーンは、きょうの稽古までに翻訳しなおした。新しいのは、前よりはよかったけど、話者の感情に沿いすぎて、今度はちょっと詩っぽさが減ってしまったように思う。演出の問題とからんでくるところがあるので、稽古が進んでこれから指示が細かくなっていく中で、まだもう少し考えてさせてもらおうと思う。

演出のバリーの周りに、「演出チーム」が、翻訳者の私も入れて3人いて、3人が入れ替わり立ち替わり、バリーの通訳をしたり、自分の疑問点をバリーに話したり、日本語の問題を自分たちで話し合ったりそれをバリーに説明したりしている。TNGの Wide as a Whisper/無言の調停者 (2, 31)で調停人リバについていた3人の代弁者の姿を、ちょっと思い出したりした。

そして、これは稽古とは別のとこで別の人と話してたんだけど、オーストラリア英語だと、It's a good day today.がIt's a good day to die.みたいに聞こえるんだよねって言っていて、ついつい、でもクリンゴン人は本気でIt's a good day to die.って言うんだよー、とスタートレックのほうに話を持っていってあきれられた。


03/11/2003(火)

最近ずいぶん春めいてきたけれど、きょうは風が強くて寒かった。冬の長いコートを、久しぶりに着た。


03/10/2003(月)

『バタビア!』は、きょう、演出家(バリー・ホール)を迎えての初稽古。稽古の全般的な進め方の説明、この戯曲についての簡単な説明の後、読み合わせ。3月2日の初読み合わせと7日の打ち合わせの内容を受けて改訂した翻訳第2稿は、だいたい割とスムーズに読んでもらえたようで、ホッと胸をなで下ろす。前回3月2日よりさらに強く、翻訳とはいえ自分が書いた台詞をひとが読んでくれるというのはしみじみと嬉しいものだと感じた。

一度読んだ後、ダメ出し。そして、じゃぁここのシーンをもう一度読んでみよう、と数カ所返し稽古。戯曲全体を通してこのキャラクターはどういうキャラクターであるのか、このシーンにおいては特にどういうことが言えるのか、というのを、たぶん私も俳優もそれぞれなんとなくは感じているんだと思うけど、演出家(戯曲の作者でもある)から明確にコトバで説明されて、意図がより明確にわかっていく。それを他の俳優もみな聞いているわけで、あぁ、この座組みでは、こうやって稽古場で情報を共有しながらこれからも作っていくんだろうなぁ、これは楽しみだなぁ、と思った。


03/09/2003(日)

乗換駅の駅ビルの書店で、週刊スタートレック・ファクトファイル第2号を探す。上着の左胸にコミュニケータを付けてるのが、こういうときはちょっと恥ずかしい。マフラーでなんとなく隠したりする。創刊第2号無事発見、購入。でも毎週560円は、やっぱり少し経済的にきついなぁ。内容も、だいたいは、すでに知っていることかもともと興味のないことだからなぁ。でもきっと来週も買ってしまうと思う。


03/08/2003(土)

昼食時にテレビをつけたら、こないだうちから番組宣伝の入っていた、ディヴィッド・E・ケリー作の、高校が舞台となってるシリーズをやっていた。たぶんこれ第1回なんだと思うけど、すごい盛りだくさんで、ちょっと盛りだくさんすぎるきらいはあるけれど、おもしろそうな登場人物が揃っていて、今後がとっても楽しみだ。この1回だけを単独で見ても満足感あるし。スキンヘッドで、ガタイがよくて、悲しげな目をした、黒人の校長先生(主役)という「いかにも」じゃない人物造形が、ポイントだと思う、この番組の。

『バタビア!』の台詞に出てくる中国の料理について調べていて、そういえば私には中国語ができておいしいものの好きな友だちがいるじゃないか、ということにはたと気づき、メールにて問い合わせ。問題(ほぼ)解決。なんでいままで思いつかなかったんだろう……。


03/07/2003(金)

雨の中、打ち合わせに出掛ける。『バタビア!』の演出(舞台装置、衣裳、照明その他の大まかな方向性)とか翻訳とかの話。「作・演出:バリー・ホール」なんだけど、青年団演出部の田野くんが演出協力、同じく工藤千夏さんも、演出や稽古場通訳等で協力する、そして私も翻訳者として意見を言っていく、というような体制(稽古が始まってみないと実際どういう感じのチームになっていくのかまだよくわからないけれど)なので、きょうは4人でミーティングした。

話かわって。夜、鍋をしようとして、土鍋を取り出そうとした。シンク上方の食器棚の中の土鍋の箱の上はパイレックスの四角いケーキ型の定位置で、いつもパイレックスを落とさないようにそろそろ取り出したりそろそろ戻したりしていたんだけど、きょうはどうしたことかふっとパイレックスのことがすっかり意識から欠落していて、手前に斜めに傾けた形で土鍋の箱をおろそうとしたから、上のパイレックスがするっとすべって、私の背後に落ちて、ガラスが割れるったらこういうことですよ、みたいに見事に割れてしまった。大学生のときに買ったんだから、20年近く持っていた。オーブンがあるときはケーキを焼いたし、パーティするときにちらし寿司を盛りつけたり、冷たいデザートのトライフル(ゼリーやカスタードクリームやスポンジケーキや生クリームで作る)もこの器で作ったし、甘くてくどいマシュマロクッキーを作るときもいつもこれを使ってた。不注意ったらたしかに不注意なんだけど、でもだってそのときホントに完全にパイレックスのことを忘れてたので、不思議だなぁとは思うけれど、自分を責める気持ちにもならない。さみしいはさみしいけど。

あぁ、いま思い出したけど、あの型は、そのとき持ってたオーブンに入る一番大きいサイズを、てって買ったんだった。今度オーブンを持ったら、そのオーブンの大きさにあわせて新しいパイレックスを買おう。うん、そうしよう。ちょっと気持ちが明るくなってきた。


03/06/2003(木)

部屋改装のための荷物運び、ということで、一時待避するために日用品を他に移すのかと思ってお手伝いに行ったらば、新たに作るプレハブ小屋の資材運びだった。重い。しかも高いとこまで階段で運ぶ。しかしさすがに年の功というか、自分の限界が見えているので、あ、このままいくと腰がやばそうとか、この勢いで行くと脚が明日は筋肉痛になるぞ、ストレッチしとこうとか、セーブしながら作業してたので、それほどガタガタにならずにすんだ(とか言いながら、こないだのヴォイストレーニングの後、3日間も筋肉痛でガクガクしていたのですが……)。

とはいえ、2時間弱で「もういいよ」と言われたけど、まだやれってもし言われてもあの後は使いものにならなかっただろうと思う。

家に帰ったら帰ったでなんだかいろいろこまごまと翻訳の仕事があって、きょうは広範囲の身体と頭を使ったなぁ、という気分になった。


03/05/2003(水)

ポニーテールにしてみたら、ゴム一本できれいにとまって、ピンがいらなかった。髪、ホントに伸びたんだなぁ。


03/04/2003(火)

一日経って考えると(『300M』のことですが)、ここが弱いとかこうしたほうがとか、思わないこともないんだけど、戯曲を1本書いて、演出して、上演するって、ホントにすごい、すばらしいことだなぁと思う。その気持ちは変わらない。

歯医者に行く。定期検診。次の患者さんまで時間があったらしく、きょうは1時間くらい先生と話し込んだ。歯のこととかじゃなく、人生のこととか。


03/03/2003(月)

桜美林大学に、蜻蛉玉の公演『300M』を観に行った。一昨日行こうと思っていたんだけど、大雨でやめた。きょうも雨だったけど、もうきょうしかないので、行った。

大学生の男子たちが、中学生の男子を演じていた。学ラン着た男子生徒が11人。1月の『東京ノート』に出てた人も多くて、あのときは大学1〜3年生だけなのに年齢にバラエティがあるように見えて驚いたけど、きょうは逆にみんな中学生に見えてビックリだった。演劇って面白いなぁ。


03/02/2003(日)

『バタビア!』(バリー・ホール作)の、初めての読み合わせ。翻訳だけど、自分が書いた台詞をだれかに読んでもらうのって、やっぱり嬉しい。作者にもいろいろ問い合わせ、自分でもずいぶんいろいろなことを調べたり考えたりして書いた翻訳第1稿だが、全体を眺める、という感じで見られたのは、きょうが初めてだったように思う。

そして、私の語彙と、読んでくれる人、聞いてくれる人それぞれの語彙の、重なっているところ、ちがっているところ、歩み寄れるところと歩み寄れないところ。歩み寄れるけど歩み寄りたくないところ。そういうのがいろいろあって面白かった。稽古開始までにもう少し直しを入れる。


03/01/2003(土)

一昨日のヴォイストレーニング講座以来、脚の後ろ側が筋肉痛で、歩くとまだ痛い。「まっすぐ立った状態から上半身脱力し、息を吐きながら起きてくる」というのが効いているのだ。普段運動不足過ぎるにちがいない。あぁでも逆に、これからこの発声法を毎日ちゃんとやれば、脚の裏側が鍛えられて、脚美人になれるかもしれない。がんばれるだろうか。

と思ったら、脚が痛くて「上半身脱力」ができませんでした。とほほ。


今月の日記に戻る
トップページに戻る