前回のシャンプーの公演に客演した女性が二人、きょう稽古場に来ました。男女比がかわると、やっぱりちょっと雰囲気もちがってきますね。
1場、2場を、きのうのダメ出しを確認しながら稽古し、夕方から参加の温水さんが到着してからつばのところの確認をし、それから3場、4場を稽古。シーンの終わりから暗転中にかける音を赤堀さんが持ってきていて、その音と合わせてやってみたりもしました。4場の最後は、ベランダから飛び降りた安部がぼろぼろになって戻ってきたところで曲が始まり、曲の途中の「ここのところで暗転します」という段取りなので、最後に私が缶ビールの栓を開けて車椅子を見るというタイミングが、ちょっとのずれもなくここ、というふうに決まりました。まず台詞を言いながら曲を聴かせてもらって、だいたいわかったところでやってみたんだけれど、予定よりも全体が長くなっていてタイミングが合わず、失敗してしまいました。時間的に間に合わなくて途中の段取りを省略することになってもとにかく暗転のタイミングはここで、というふうに指示されました。休憩中に、歌詞カードを見せてもらったり曲を何度か聴いたりして、対策を立てました。歌詞が英語で助かりました。in chargeってったら、もうすぐだ。killersでビールを見て、それから箸を置いて栓を開ける。business, businessで車椅子を見る。次のbusiness, businessで暗転。ね。知らない言語だったらこうはいきません。
「スッキリした?」は、まだうまくいきませんでした。一度、こう、と赤堀さんと話し合って、稽古でやってみたけど以前とかわりませんでした。休憩のときに、また赤堀さんと話しました。
「安部は、どのポイントで『スッキリ』したんですか?」
と聞いてみました。私としては、泣いた後の安部がいつまでたっても「スッキリ」したように見えなくて、でもずっとずっと待っているわけにもいかないから「スッキリした?」という台詞は言うわけで、でもスッキリしてない人に言ってるという気がしてそれがひっかかっていたのです。泣くこと自体でスッキリした、というのが赤堀さんの答えでした。私はなんか変なことでくよくよしていたようです。言い方自体は、真顔で、スッキリしたのかどうか真剣に聞く、というのでやってみることになりました。がんばって言おうとすると声を張ってしまいます。声を張らないのがポイントみたい。
通し稽古は、開演時も含め暗転の音ありでやりました。ただ、3場のラスト(私がVサインを出すところ)の音は、まだ決まっていません。ラストシーンは、きっちり対策を立てておいた甲斐あって、タイミング、バッチリでした。男たちが牛乳を飲むところ、今回初めて牛乳ありでやったんですが、飲んだ後お腹がぐるぐるいってる人があっておかしかったです。通しの後で私が言われたのは、3つ。
- 玄関ドアの閉まるのを待っている間だと思うが(その通りでした)、「パチンコ」と言うまでの間が長い。
- イチゴをもらってから「カラス、大ッ嫌いなの」というまでの間が長い。
- 「あなたはもう充分なんじゃないの」のくだりが言い方が丁寧すぎる。もっとさらっと。
最初のは、誠が出てってからどのくらい、と時間を決めればいいので、すぐ解決できます。2番めのは、赤堀さんに以前言われたとおりの段取り(イチゴを置いた登がベランダに行くのを待ってから、イチゴをとる)でやっていたところです。でも、
「カラスについて情熱を込めて語った登が去った後、間が空きすぎてしまうと、『カラス大ッ嫌い』というのが繋がらなくなる」
という説明はよくわかりました。前の段取りでは時間が掛かりすぎるので、登がベランダに行くのを待たず、イチゴが置かれた、でちょっと間があってすぐイチゴを食べることになりました。
帰り、結構大人数で飲みに行きましたが、ビール1杯飲んだあたりで胃が痛くなり、あんまり飲食できませんでした。残念。ていうか、いま身体を壊すわけにはいきません、気をつけます。
きょうも雨が降ったりやんだりでしたね。
美容院に行きました。
「10月に『きれいなOLのお姉さん』をやるんだけど、その前にたぶん3カ月くらい外出とかしていない人の役もあるので、あんまり最近美容院に行ったみたいでもないようにしてほしい。そして、その役は、へア・メイクをきれいにしているってふうにするかもしれないし、あんまりかまってないような感じにするかもしれないので、どっちにもアレンジできるように。10月はヨーロッパ公演で、ブローとかやってられないかもしれないから、ムースでセットできる髪型希望。で、35歳くらいに見えるようにしてください」
とお願いしたら、
「きょうは松田さん欲張りだねぇ」
と言われましたが、93年からお世話になっているこの美容師さんは、今回も希望どおりにバッチリやってくださいました。大宮まで行ったかいがあるというものです。
美容院の行き帰り、電車で台本を読んでいて自分の重大なまちがいに気がつきました。3場で加害者安部が「すいませんでした」と言って泣く。その後、
「スッキリした?」
と言い、さらに、
「大丈夫よ、もう……(祈祷師が)来てくれたし………もう治るから…」
と言うんですが、この大丈夫というのを、いままで私は、
「あなたが心配しなくても大丈夫」
という意味でしゃべってました。でもこれは、
「私は治るから私はもう大丈夫」
という意味ですよね。ごめん、文字でなかなかうまく伝えられないのですが、安部をきづかってるんじゃなくて、ふん何よあなたはあなたで泣いてスッキリしたでしょうけど私だってもう治るんだから大丈夫なのよ、ってことなんだ、ときょう初めてわかったのです。ここがまちがってたから「スッキリした?」がうまく言えなかったんですね。
稽古は、まず、昨日のダメ出しを確認しました。言葉で確認しただけのところもあるし、実際に稽古したところもありました。私がダメを出された3カ所は、他の人の稽古と重なっていたこともあり、3カ所とも稽古しました。
その後1回通しました。全体的には
「テンションは低いが、低いなりに空気が流れていた。これはこれでよかったと思う」
ということでした。私が言われたことは、5つ。
- 「スッキリした?」の言い方はよかったが、前にもうちょっとだけ間をとってほしい
- 酢がどこにあるかという登と智子の会話が、なんかしっくりいっていない
- きのうダメの出た、「しかえし」のくだりがよかった。「あなた」がほとんど「あんた」みたいに聞こえたのがよかった
- ラスト近くの、「カラスはね…」の後の「登さん…」は、むずかしい台詞だと思うが、きょうの、息を吐きながら笑って言うやり方はよくなかった
- ラストの、段取りの変更
ラストの段取りは、1回めのbusiness, businessで缶ビールをあけて、2回めのbusiness, businessのときに車椅子を見る、というふうに変わりました。稽古の後で、赤堀さんに、
「『スッキリした?』の後の、祈祷師が来たからもう治るから大丈夫だって台詞、言い方をかえたんですけど大丈夫でした?」
と聞いたら、きょうのでいいとのこと。いままでどう思ってて、きょうどう変えたかということを、説明しておきました。
きょうは、劇作・演出・俳優をやっている友だちが、稽古見学に来ました。来るのが遅かったので通し稽古の3場が始まった頃からしか見れなかったのですが。稽古の終わった後、二人で話していて、赤堀さんから以前言われたとおりの間でやっているのにもっと早くとか遅くとか直されることがあると言ったら、それは「音として聞いてちょうどいい間」と「アクションありで見てちょうどいい間」にちがいがあるからではないか、と言われました。なるほど、そういうこともあるかも。そしてお酢のくだりについては、私が、
「あの……冷蔵庫の横の……ラックの下」
と言うときの、「ラック」の前の間が長すぎてものすごく思い出し思い出ししているように見える、ということを言っていました。そうだよね。私も、
「あの(お酢はあるのはあそこだ!)冷蔵庫の横の(あれはなんて名前だ)ラックの下」
という感じと思っていたので、「ラック」の前は一瞬だけ間があればいいみたい。今度それでやってみます。
当日パンフレットに載せるコメント、きのうが締切だったんですけどどうしても書けなくて、きょうの夜まで待ってもらいました。そんなにうんうん考えたのに、最後は結局えいやっと書いて制作の永井さんにメールで送りました。こんな内容:
稽古から帰ってきて、自分のホームページ(http://www.dokudami-net.com/%7Ehiroko/)に載せる稽古日記をつけてると、また時間がどんどん経っていきます。何をやっているんだろう、と思わないこともないのですが、書かなかったことはみんな忘れてしまうので、あれもこれも書いておきたくて、いろいろいろいろ書きとめています。私の日記を一番熱心に読んでるのは、私自身だと思います。
ネタバレがあるから公演終了後に公開する予定ですけど、9月27日から『東京ノート』ヨーロッパツアーなので、すぐじゃなくて11月中旬くらいになりそうです。よろしかったらその頃にどうぞご覧になってみてください。
なおちゃん、
きょうは、公演前の最後のお休みの日でした。メイクのこととか、2、3相談したいことがあったので、赤堀さんにFAXで送ろうと文書を書きましたが、書くことによって考えがまとまったので、これだけ順序立てて話せるんだったら今度会ったときに直接聞けばいいやという気持ちになって、結局送りませんでした。
夜、黒田くんと五反田団の稽古を見に行ったら、赤堀さんも来ていました。私が舞台上で座る座椅子を、きょう買ったそうです。よかった! 稽古が始まった頃に、
「座椅子は、いつ頃から稽古で使えますか? もし、たとえば劇場に入るまでなしとかだったら、それはそのつもりで覚悟しておきますからいいんですけど、予定を教えてください」
「稽古中に、なるべく早く用意します」
というような話はしていて、覚悟しておきますからとは言っても、やっぱり実物で稽古たくさんできるほうが、私は安心です。いまは、稽古中、なんの支えもなく脚を投げ出して座ってるんですけど、座椅子に座ったら、背もたれで動きが制限されたり、逆に寄りかかることによって動作に幅が出たり、きっとずいぶんちがってくると思うんです。そういうの、いろいろ実際にやってみておきたい、本番になる前に。
私の衣裳は、探しているけどまだ見つからないと赤堀さんは言っていました。こないだ温水さんと野中さんの衣裳も、赤堀さんが買ってきて、これ着てくださいって稽古場で渡してましたけど、自分で買ってくる演出家って、私は赤堀さんが初めてです。
FAXを送ろうと思ったんですよと言うと、
「え、怖いことですか?」
と聞く赤堀さんの目が心配そうでした。それだけ言ったんじゃ気をもませて悪いし、せっかく会ったので、メイクについて、すごくきちんとメイクしているというのはいいと思うんだけど「がんばって失敗した」感じにするのはうまくいかないんじゃないかと心配だ、という話をしました。必ずしも「失敗」というんじゃなくても、その場から「浮いている」感じにできればいいと思っている、それはもしかしたら口紅をもっと赤くとか顔色をもっと白くということかもしれない、という答えでしたので、それだったらと安心しました。ケーキを食べた後口紅を引き直す段取りをやってみたいと言ったら、
「いやらしくならないかな?」
と赤堀さんは懐疑的なようでした。
五反田団は、きょう、初めての通し稽古だったそうです。私たちの他にも遊びに来た人たちがあって、稽古の後の食事もにぎやかでした。本番は見れないので、きょう、行けてよかったです。
稽古時間、いままでは18時〜22時、日曜日だけ13時〜22時、だったんですが、きょうから毎日13時〜22時です。
前回のダメ出しをざっと確認してから、まず1回通し稽古をしました。その後私が言われたことは2つ。
- スケッチブックの紙を破くとき、あれでは手をあげすぎで、あざとい
- 「あなたはもう充分なんじゃないの」は、前回のほうがよかった
1番めは、決まったタイミングに遅れて動揺してあせったせいでした。でも、「手を高くあげすぎるとあざとくなる」とは意識してなかったので、うん、これからそこにも気をつけようと思います。2番めのは、たぶん「あなた」というところがはっきりしすぎたんだと思います。「な」を意識的に曖昧に発音しているのですが、たぶん長さが3拍っぽくなっちゃったのがダメだった。2拍みたいに言ったほうがいいんです、きっと。あと、3場の冒頭で、こたつの上にあるはずの灰皿がベランダにあって誠が取ってきてたのが「採用」になり、私としてはスケッチブックの切れ端をそのあたりで灰皿に捨てるという段取りを作っていたんだけど捨て場がなくなってしまいました。
その後の稽古で、ラストの登と二人で野菜炒めを食べるところ、
「ずっと、目を見ないでやってみてもらってもいいですか」
と言われ、下を向いてしゃべることになりました。たしかにいままであまりに無防備に夫に甘えていたと反省しました。かわいくやりすぎ。
夕食後、もう一度通し稽古。全体としていままでで一番よかったそうです。私関連では、祈祷師がはじめに入ってくるところの段取りで、いま児玉さんは児玉さんでいろいろなタイミングを試しているんだけど私が決まったタイミング(前の台詞から何カウント、という形)で台詞を出しているため台詞がときによって前後しちゃう部分があり、そこをどうするか決めました。また、ラストの下を向いてしゃべるところについては、赤堀さんは、
「目をあげたら泣き出しそうに見えました」
と言って、見え方と俳優の作り方は必ずしも一致しないんだろうけど、今度俳優もそういうことを意識して「あざとく」やってみましょう、「あとづけですが、」ということになりました。明日のお楽しみ、です。あとね、他の人へのダメ出しを聞いていてわかったんですが、赤堀さんが「無意識でできるように」というときの「無意識」って、「意図が見えない」という意味のようです。ホントに無意識にやるように言ってるんじゃなくて、無意識にやってるように見えるようにやってくれ、ということだったんですね。やっぱり言葉のちがいだったんだ。無意識になんてできないものねぇ。
13日の稽古は、お休みになりました。
なおちゃん、
きょうは、実寸のとれる広い稽古場でした。人が揃うまで卓球したりして遊んだのですが、赤堀さんが、
「え、松田さん、ギッチョ?」
とおどろいたのには、こっちがおどろきました。この芝居、絵は描くは、箸で物は食べるは、「左利き全開!!」なのにね(数日前、児玉さんにも「え、松田さん、ギッチョ?」って言われました。ずっと向かい合って箸で物食べてるシーンが2度もあるのに、気づかないもんなのね)。
舞台図面に合わせて出はけ口も正確にバミッて、暗転中にだれが何をどうするかという段取りをまず確認しました。私は、暗転中に舞台に出てってスタンバイするというのが、ほとんど初めてです(青年団は劇中の暗転自体がほとんどありません)。そのうえ、半身不随という設定ですから、明かりがついちゃってからあんまり動いて直せません。不安です。あんまり不安がって、持って出るスケッチブックもだれかにスタンバイしてほしいとか言い出したので、
「とにかく劇場でやってみて、ダメだったらまた考えましょう」
と言われました。
それから、「まいて」通しました。「ここは、間をとるところである」という確認はちゃんとやりたいけど、間自体を長くとってはいられないので、カウントをとるような長い間はそのカウントの数字自体を小声で言うという新方式を編み出しました。たとえば、
「大丈夫よ、もう……来てくれたし……もう治るから」
の「……」はそれぞれ6拍なので、
「大丈夫よ、もう、ロク、来てくれたし、ロク、もう治るから」
と言うのです。たぶん他の人にはほとんど聞こえていないと思いますが。
その後、通し稽古。4場の
美紀「じゃぁ、私、ちょっと」
智子「え?」
の「え?」は確実に音声化してほしい、と言われました(きょうは、顔で聞いちゃって、声はほとんど出してませんでした)。「え」とか「うん」とか、必ずしも観客が聞き取れなくてもいい場合があるけど、ここは聞かせたいということです。多門さんが、自分のキッカケとなる私の台詞、
「安部くんも」(肩を組むよう促す)
が聞こえにくいときがあるんだけど、と私に言ってきました。それは、安部役の日比さんが私が声をかける前に自主的に肩を組んじゃうときがあるんで、そうすると私は肩を組めと促す必要がなくなっちゃって、でも台詞だけは言うんだけどそういうときはどうしても言いづらくて小声になっちゃったりするんです。そっか、ここボリュームが一定してないと、多門さんが困るんだ……。多門さんに理由を説明し、日比さんと話すよ、と言って、そのあと日比さんと話しました。これこれこういう段取りなんだけど、と言ったら、あ、ぜんぜん考えてませんでした、じゃぁ言われるまで動きません、とのことであっさり解決しました。もっと早くに確認しておいたらよかったのかな?
音響の方の来るのを待って(少し眠りました)、2回めの通し稽古。
「これかたづけちゃって」
という台詞も、ちゃんと音にするように言われました。これは、いままで意図的に、相手(児玉さん)にだけ聞こえるように言っていたところです。あと、ラストのところ、
「きょうは、(泣きそうというのを)意識してやりました?」
と聞かれました。はい、あざとかったですか?と言うと、もしかしたらお客さんとしてはこっちのほうが泣けるのかもしれないけど、重い、とのことで、前回のやり方に戻すことになりました。
赤堀さんはあんまり前に出てやってみせないけど、きょうは、児玉さんの動きをあれこれ割と動きながら指示していました。児玉さんがすぐにはできなかったとき、
「オレたち、下手だなぁ」
と言ったのが印象的でした。児玉さんのことだけじゃなく、伝えられない自分のことも言ってる。一緒に長くやってる同士っていいなぁ、と思いました。
きょうは稽古はお休みです。
去年私は、北九州の飛ぶ劇場に客演しました。今回シャンプーで私の夫の役をやる児玉貴志さんが北九州市の出身なんですが、飛ぶ劇場の泊達夫さんと高校のとき同じクラスだったことがあるとわかりました。なんか前からこの二人の印象は私の中で重なるところがあったんですが(書く文章も似ていると思います)。
衣裳が決まりました。
赤堀さんが、私の衣裳を買ってきました。前、花柄のブラウス、と言っていたのに、カットソーの、コバルトブルーに黒と銀のジグザグ模様が入ったのと、前身頃が豹柄で腕と後ろ身頃が黒のやつで、どっちもおばさんぽくて趣味悪くて、泣きたくなりました。でも着替えてみたら、けっこう似合いました。ビックリ。赤堀さんがねらっていた「浮いている」感じにはあまりならなかったようですが、青いほうに決まりました。下は、黒の七分丈くらいのスパッツにしたい、というので、手持ちのものを明日見せることになりました。
稽古は、「まいて通し」、そして通し稽古2回。1回ごとに、ダメ出しと返し稽古が入ります。
まいて通しのとき気づいたんですが、私は、心の中で言う台詞ってのがあるんですが、「まいて通し」だとこれが声に出ちゃいます。間のところで、「なによー」とか「おこられちゃった……」とか普段は目で訴えてるだけのところがどうしても言葉になって出てきてしまうんです。たぶんテンションとかそういうことでいうと、「まいて通し」は通常より低いテンションでやってるから、普段ならアクションになることがアクションになりきれずに台詞化するんじゃないか、と考えています。
ラストの段取りが変更になりました。全体に早めて、最後「車椅子を見る」→「登を見て、笑う」→「再度車椅子を見る」。1つめのIt's all over.で空を見るのをやめ、登を2秒見て、野菜炒めへ。kept in chargeでビールを見て箸を置き、1回めのbusiness, businessで車椅子を見る。登を見て笑って、最後もう一度車椅子を見る。ごめんごめん、自分が忘れないためのメモになってますね。
きょう私がダメ出されたのは、まずは、2場で青年たちに肩を組ませる関連のとこ。福田さんが日比さんの肩に手をまわしたところで、私が、
「あ、いいじゃん」
と言うタイミングが早すぎると言われました。台本の台詞の順番で言うと、たしかに早すぎるタイミングで私は台詞を言っているんだけど、それには理由があって、
「日比さんが、すぐに福田さんの腕を振り払うじゃないですか。振り払っちゃって肩を組んでいない状態になっちゃうと『いいじゃん』って言えなくなっちゃうんで、それであのタイミングで言っているんです」
と説明。赤堀さんの解決策は、台詞のタイミングもきっちり決めて、あと福田さんに、ぜったい振りほどかれないように、と指示を出していました。
それと、祈祷師に、
「川がありますか」
と聞かれて答えるまでに、「え、私に言ってるの?」という間が必要、ということ。もう一つは、台所で野菜炒めを作っている登が何かこぼしてガシャーンと音をさせたときに、何が起きてるのか、「知りたい」という感じが減ってきてしまっている。すくなくともきょうの2回めの通しよりはボリュームを上げてくださいと言われました。あぁ、こないだ、這ってでも台所の様子を見たい、みたいに動作を付けてやってみたときがあった(すぐ没になりましたが)けど、そうかそうか、こういう意図だったのね、と納得。自分ではあまりそういうことを考えていませんでした。考えていないんだから、たまたまできたり、できなかったりしちゃってたんですね。ダメですよね、それじゃ。
あともう一つ、ラストの、登を見て笑う、というのは、いままで車椅子に乗ることはおろか見るのさえ拒否していた智子が、車椅子を見ているところを夫に見られて、
「恥ずかしいところを見られて赤面する、卑屈な笑いです」
と言われました。素直に笑っちゃダメなんだ。