私の所属する劇団青年団の本拠地、こまばアゴラ劇場の、キッチンと事務所部分を分ける「のれん」です。事務所側からはおもて面が、キッチンからは裏面が見えます。
事務所フロアーの内装デザインをした友から、「まったく同じではないけれど、2枚で一組、というものを作ってほしい」と頼まれたので、色調は同じだけどデザインがちがう、というふうにしようと思いました。1枚め(「秩序」)が、正方形、タテヨコの線を中心にしたデザインになったので、2枚め(「混沌」は)斜めの線を多用しました。名前は、2枚めのデザインを考えているときに、決めました。
デザインは、最初から全体を考えたわけではなく、布を切ったり縫ったり、縫い合わせたものをまた切ったりしながら、決めていきました。
キルティングも、「秩序」は正方形の直線キルティング、「混沌」はフリーモーションというふうに差を出しました。これだけの大きさのものを、キルティング用押さえ金を使ってミシンでフリーモーションキルティングをするのは、はじめてでした。「なめらかな曲線を描き、カドを作らない」、「線と線が交差しない」というのがフリーモーションキルティングのルールですが、カドがとがったり、勢い余って線が交差したりしてしまった部分もあります。でも、はじめてにしてはうまくできた、と私は満足しています。キルティングには2日間かかりました。手縫いでやってたらどのくらいかかったでしょうか。ミシンキルティングにしてずいぶん時間短縮できたと思います。
裏面は、キッチンの色調(白木調の内装、淡いアイスピンクの壁、バブルガムピンクの電子レンジ)に合わせて、ピンク系です。
(2003年6月)