フェスティバルが始まってから、天気のいい日が続いている。桜もそろそろ咲き出した。
青年団公演は、今日が最終日。午後のミーティングで、バラシの段取りとか、明日の朝宿舎の掃除をします、とかいう話が出て、あーもうきょうで利賀の公演は終わるんだなぁ、とちょっとさびしい気持ちになった。利賀山房は大好きな空間で、ここで一週間くらい公演したいなぁ。
バラシの後、劇場で軽く打ち上げ。その後、フェスティバル・バー、宿舎の食堂と場所を移して、4時くらいまで飲んで語った。その後、荷造りと部屋の掃除をしていたら、外が明るくなった。まぁ、あしたはバスで帰るだけだから。
フェスティバル2日目。午前中、稽古。
午後、狂言ワークショップを見る。実演に参加してみたかったけれど、今いる観客の多くがこのあと『上野動物園再々々襲撃』も見ると思って、思いとどまった。だって、あとで私が登場したとき、
「あー、この人、さっきのワークショップに出てた」
とか思ったら興ざめでしょ?
夜、食堂でパーティ。狂言師、大学生、若い劇作家、他の劇団の俳優その他のみなさんと話す。
晴れて暖かい一日。でも日没以降きっと寒くなるので、暖房をガンガン効かせて劇場を暖める(音の問題があり開演中は暖房を切るので、その前にできるだけ暖めておくのです)。
初日。4時開演。いままでがらんとあいていた客席が人で埋まっていて、あーそうだ、劇場ってこういう空間だった!、と、嬉しく懐かしく思い出した。
終演時の拍手が、とても暖かく感じた。
宮沢賢治の星めぐりの歌を知っている人がいて、一番だけだけど、教えてもらった。聞いてみるもんだなぁ。
夜、ゲネプロ。
朝からきれいに晴れて、風は冷たいが気持ちのいい天気。私は午前中は稽古がなく、「散歩をしよう」とか思っていたが結局ゆっくり眠ってしまった。
夕食後、宿舎に帰る道すがら、満天の星があまりにきれいなので、友と二人、星の歌を歌いながら歩こうということになったが、二人一緒に歌える星の歌がほとんどなく、あっても一番の途中までとか、メロディーだけとか、宮沢賢治の星めぐりの歌なんかは最初の一節しかわからなくて、それでも大きな声で歌うとなんだか涙が出てきた。
朝から細かい雨。利賀は天気が変わりやすく、だいたい毎日ちょっとは雨が降る。
夜は、利賀山房での初めての通し稽古。その後、新人の人たちの創作の発表会があった。平田オリザ作「マッチ売りの少女たち」の一節をテキストに使って、「どんなひきょうな手を使ってもいいから、観客を笑わせる」という課題。すごくおもしろいチームと、ぜんぜん笑えないチームと、差が歴然とあってこわいくらいだった。プロデュース公演のためのワークショップなどで経験があるけれど、創作は、おもしろいけどこわくもある。作っていく過程で、やっている自分がどんな人間なのかが全部暴露されていく感じがする。
早朝に寄ったサービス・エリアの売店のおばさんに、どこに行くのかと聞かれ、
「利賀村です」
と答えたら、
「まだちょっと早いね」
と言われた。いいシーズンはもうちょっと先らしい。でもフェスティバルに参加しに行くんだからそうも言ってられない。
7時頃、利賀芸術公園着。雪がたくさん残っている。長靴を持ってきてよかった!天気予報では朝から雨ということだったが、よい天気。
搬入、朝食、仮眠後、仕込み。天気はじょじょにくずれ、雨。夕方から稽古。私たちが公演する利賀山房は、冷え込みがきつい。夜もふけてくると、しんしんと寒い。舞台上で、息が白い。
いよいよ今晩、利賀に出発する。午後、倉庫から装置、置き道具、小道具その他の積み込み。おととい荷造りしてきのうアゴラに持ってっておいた自分の荷物も積み込んでもらった。
帰宅し、荷造り第2弾。出発直前まで使っている洗面用具、ドライヤー、コンタクト用品など。師匠が物心をつけておいてくれた新しいノートパソコンに、メール送受信に必要な設定をする。ビデオの録画予約を忘れて師匠が一度家に戻ったりというアクシデントはあったが、ほぼ予定通り食事をして、夜行バス(チャーター便)の待ち合わせ場所に向かう。深夜12時、利賀に向けて出発。
髪を切った。年末に美容院に行って以来なので、…、4カ月ぶりだ。最近白髪がずいぶん増えてきたみたい。
「マチコさんの歳では少ないほうだよ。」
と言われたけれど。
いま使っている稽古場は、きょうまでで終わり。明日からはアゴラに戻る。
五月を待たず、半袖を着た日
昔読んだマンガに「五月最初の日曜日だから半袖を着て出掛けた」とかいう独白があって、それ以来半袖は5月から着る物と思い込んでいる。でもきょうは、半袖が着たくなって、テロテロのアロハにジージャンをはおって出掛けた。
がんばってどうなることでもないけれど
がんばれるだけがんばってみる
自由律俳句から短歌に転向か?<私。
アホついでに、前に作った「スタトレ川柳」もご紹介。
ウェス、データ、ガイナン、ウォーフは左きき
前髪をおろしたチャコティ男前
オブライエン 大仏みたいな髪と耳
私の興味って、「物」よりも「人」に向かっているのかなー。
利賀に行く前の、稽古が休みの日はきょうが最後だ。なんか旅行用品を買いにいったりすればいいんだろうけど、利賀に行くってっても今年は1週間しか滞在しないから、どうにかなるだろーという気持ちが強く、いつもの年だったら、何を持っていくか非常に綿密に計画を立てるんだけど、どうもそういうことをする気にならない。
私は、歌を歌うのは好きだけど、苦手といえば苦手です。弱いです。
ドレミファソラシド……の範囲内だったら大丈夫だけど、「半音」が出てくるとちょっとわけわからなくなってくる。「ハモる」のはさぞ楽しかろうと思うけれど、実際やるとなると、音がとれるか、ずれないか、と不安になり、必死でやらないと外れるので眉間にしわが寄ってくる。また、いきなりだと動揺するので、
「ハモるとこの直前で、手をあげて合図してね。心の準備があるから」
とお願いする始末。昔は合唱部だったんだけどなぁ。
10時稽古開始で、でも私の出てるシーンの稽古は11時からだったので、それに間に合うように稽古場に行った。小道具作成などの作業もこなす。途中、稽古のない時間にはお昼寝をしたりもしたけれど、きょうは一日稽古場で過ごした日だった。
あなんじゅぱす保育園ライブの録音テープを聞いた。保育園児のパワーはスゴイ。ライブのメンバーそれぞれの、子供に接する態度のちがいがはっきり出ているのも楽しかった。質問コーナーとか。そして、最後にみんなで写真を撮ったらしいんだけど、
「記念撮影するよー」
と先生が言ってから実際に
「はい、チーズ」
となるまでにめちゃめちゃ時間がかかっていて、おー、4歳・5歳児ってこんな感じなのかー、とおもしろかった。
きのう炊いたエンドウご飯を、お弁当に持っていった。ご飯だけだけど。最近は稽古で忙しくて、ほとんど炊事をしていない。おかずは、スーパーで買った肉じゃがコロッケ(しっかりと味が付いていて美味)、チェリートマト、シャケ。
アメリカのキル友(キルターである友だち)から、アイ・スパイ・キルト用のハギレが送られてきた。蜂、本、犬、寿司などの柄。私のアイ・スパイ・キルトは、六角形を十数枚切ったところでストップしちゃってて、たぶん再開は『上野動物園再々々襲撃』の公演終了後になりそうだ。
VGR Equinox, Part II/異空生命体を呼ぶ者達(後編) (121)は、前編がおもしろかったので楽しみにしていたが、まったく期待はずれだった。ランサム=宇宙艦隊の規律を無視してがむしゃらに地球に帰ろうとする艦長vs.ジェインウェイ=地球に帰りたいのはやまやまだけどあくまでも艦隊の規律に従う艦長、という対比が、まず、無理。すでにここまでの5シーズン120話の中で、ジェインウェイはずいぶん無茶をやってきてる。そしてまた、無茶は無茶だけどヴォイジャーのクルーたちのことをいつも心にかけてきた艦長だったのに、このエピソードでは個人的な復讐心(のように見えた。)にとらわれて、自分の指揮下のクルーの命まで危険にさらしているというのもひどい話だ。最後には、イクワノックスを異星人に引き渡すと約束してるし。
EMHがすり替わったり、倫理サブルーチンが簡単にオーバーライドされちゃったり、というあたりも、あまりにご都合主義。最後はヴォイジャーのドクターが
「イクワノックスのドクターを消去しろ」
とかなんとか言ってたけど、そんなにいとも簡単に艦の緊急医療用ホログラムが消去できちゃっていいのか!
「これが第6シーズンのオープニング・エピソードだなんて!次からもう見るのやめちゃいそうだよ!」
と、最後のクレジットを見ながら私は叫んだのでした。
あなんじゅぱすのウェブサイトに保育園ライブの報告が掲載された。あぁー、こうやって人と人が出会っていくのっていいなぁ。私自身は、まず音楽が苦手だし、人見知りするほうだし、なかなかこんなすてきな出会いはないけれど、報告を読むだけで楽しい嬉しい気分になった。
3月の日記に書いた「王様」について、読んだ方からいろいろご質問をいただいたので、どういう機能なのか実家に電話して聞いてみた。水位調節の一種で、割と高い水位までお湯が足されるのでいつ入ってもお湯がざばーっとあふれる、という機能だそうだ。やっぱり。でも、実際に使ったことはないとのことなので、まちがってるかもしれない。
「読んだ方」といえば。きょう、お昼にスーパーのちらし寿司とハンバーグを食べていたところに、友が通りかかったので、
「きょうはお子さまメニュースペシャルだよ」
と言ったら、
「オムライスだってお子さまメニューだよ。シャクシャクしてて、よかったね」
とにこにこしていた。
新聞の、パトリック・スチュワートの記事(Minneapolis Star Tribune)に、12、3歳の頃に芝居を見たときのことが書いてあった。土曜の昼公演を見て劇場から出てくると、夜公演を待って並んでいる人の列があって、それを見て、
「いまから見てどうするんだろう。もう終わったのに。さっき起こったことがもう一度起こるなんてことがあるんだろうか。」
と思ったという。いい話だなぁ。
スタートレックのグランドスラムコンベンションに行った人が、コンベンション日記を公開している。TNGの制服の柄のTシャツを着た子供たちの写真がかわいかった(2日目)。
きょうはお昼に、スーパーで買ったオムライスを食べた。実は私はオムライスが好き。卵はちょっととろりと半熟気味で、ライスはケチャップ味(チキンライスでもハムライスでも可)、というのが好みです。きょうのは、卵の焼き具合もちょうどよく、ケチャップライスの味も濃すぎず薄すぎず、具のタマネギがシャクシャクしてるのもおいしかった。
たまごって、材料は「卵」だけど調理された物は「玉子」と書くべきだ、と聞いたことがあるけど、どうなんだろうか?
きのうもきょうも、私の出ているシーンの稽古がたくさんあった。稽古の後、疲れてるのは疲れてるんだけど、頭の奥のほうが目覚めてる感じでなかなか寝付けないことがある。ゆうべがそうだった。きょうは眠れるように、カモミールティーでも飲もう。
近所の商店街に、アクセサリーのリフォームをしてくれる店がある。前から気にはしていたんだけど、サイズ直しをしてもらいたい指輪があって、きょう初めて入ってみた。2、3日でやってくれるらしい。
暖かくなってきて、みんな、ちょっとずつ軽装になってきている。でも、利賀に行ったら、また寒いんだろうなぁ。4月も下旬だから、4月アタマから1カ月近く行ってるときほど重装備でなくてもよさそうだけど。
お昼に、中華の店の「よくばりランチ」を食べた。半ラーメンと半チャーハンである。炭水化物にかたよっている感じもしたけれど、そういう気分だったので。
TNG Qpid/Qpid (94)とVGR Equinox/異空生命体を呼ぶ者達(前編) (120)を見た。ヴォイジャーは第5シーズン最終話で、2時間物のうちの前編である。つまり、アメリカでの放映時には、このあと第6シーズンが始まるまで4カ月間あいだがあいたわけで、ここでグッと視聴者の気持ちをつかんでおかなければ、という大事な位置づけにあるエピソードだ。さすがに気合いの入った出来でおもしろかったんだけど、話が終わった途端、私は、
「こういうときばっかり気合い入れるなよー」
とさけんでました。ヴォイジャーは、出来不出来に差がありすぎる。TNGのような「世界観」が欠落しているからなんじゃないだろうか。スタートレックの世界は、ジーン・ロッデンベリーという1人の人が作った。ヴォイジャーはそのロッデンベリーの死後に始まったシリーズなので、精神的なバックボーンというか、確固とした妄想というか、そういうあたりが弱いように思う。
内容では、ルディ艦長との対比ということなんだろうけど、ジェインウェイが、「艦隊の誓いを破ったことはない」と言い張るのはどうかと思った。「曲げたことはあるけど一度も破っていない」とのことだが、そこにそんなに明確な線が引けるのだろうか。
でもでも、イクワノックスの艦長、クルーが、なかなか味のある人たちなので、後編が待ち遠しい。
桜が満開だ。今年は『上野動物園再々々襲撃』の稽古があって、夜、花見をする暇がない。
きのうから始まったタタキは、3日間の予定が、1日早く、きょう終了した。化粧ベニヤをカッターで寸法通りに切るという作業などをした。普段パッチワーク用に布をロータリーカッターで切る作業をたくさんやっているので、平行・垂直をとってまっすぐな線のとおりに切るのは、けっこう得意だ。しかし、きょうに限って自分のカッターを持っていくのを忘れたのは、間抜けだった。
4月の利賀の公演用のタタキ(舞台装置作成)がきょうから始まった。
きょうから、広い稽古場に移動になり、舞台の実寸がとれるようになった。私鉄、地下鉄などを乗り継いで稽古場まで通うので、パスネットカードが便利だ。割引はないけれど、切符を買う手間がぜんぜん要らない。それに、何経由でどこで乗り換えて行くのか、というのを前もって決めなくても乗っちゃえるのも、便利だ。