数日前にSPAMコメントをつけられて(もう削除しましたが)、それ以来、このブログのアクセスが異常に多くなってます。いつ落ち着くんでしょうか。
さて、アンドロイド演劇「さようなら」で、オーストリアのリンツとドイツのベルリンに同行しています。今回のこのヨーロッパ公演で特筆すべきは、これが本格的な「記録型」上演であるということでしょう。アンドロイドをリアルタイムにバックヤードで女優がコントロールして演技させるのが「遠隔操作型」、それに対し、アンドロイドの動きと声は、事前に記録してあるものを再生し、舞台上の人間の演技はすべてアンドロイドのタイミングに合わせるやり方、これを「記録型」と呼んでいます。
今回は「記録型」なので、アンドロイドの動きは、毎回、まばたきのタイミング等も含め、すべて毎回完全に同一です。そこで今回のリンツ公演では、僕が担当する照明・字幕も、完全自動化を試みてみました。上演中のフェーダー操作はもちろん、マウスクリックさえも上演途中には一切行わない、開演時一発スタートで終演まで自動でつなげるのです。タイミングをプログラムし終えるまでは試行錯誤の連続で手間がかかりましたが、出来上がってしまうと、開演時にスタートしてしまえば、あとはまったく手を触れずに、アンドロイドの動き、声、照明、字幕が、すべて自動的に終演まで進みます。ラストの美しい暗転のフェードアウトのタイミングもスピードも、全部自動。リンツ公演では思いのほかうまく行きました。これは言い換えると、アンドロイド本体、と照明と字幕全体、つまりライト、調光卓、字幕アプリケーション、字幕表示プラズマなどが、全体で一つの「ロボット」を構成している、と見ることができます。舞台上で「生きている」のは、本当に女優(ブライアリー・ロング)たった一人、ということです。
それがどうした、と言ってしまえばそれまでなのですが、今回これをやったということは、ロボット演劇/アンドロイド演劇の発展過程上の一つの成果と考えて良いと僕は思います。
これからベルリン公演ですが、こちらは字幕が無いので、僕の担当は照明だけです。この照明も、全自動でやってみる予定です。
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