鳥の演劇祭でのアンドロイド演劇「さようなら」に同行してきた。鳥の劇場に行くのは、数えてみたら今回が6回目である(「隣/ヤルタ」「火宅」「LOVE」「カガク/北限」「そんなに驚くな」「さようなら」)。初めて行ったのが第1回「鳥の演劇祭」に参加した「隣にいても一人」「ヤルタ会談」で、それは3年前、つまり、3年間で6回行ってるわけで、これは、かなり多いと言える。鳥の劇場の方にうかがっても、外部のスタッフとして鳥の劇場に来てる回数では、僕が最多であることは間違いないそうだ。光栄である。
鳥の劇場は、行くたびに劇場(ハードウェア)がバージョンアップしている。最初行ったときは、「スタジオ」での公演だったのだが、エアコンが上手にあった。次に行ったときは、受付が操作しやすい下手に、エアコンが移設されていた。
当時、「劇場」のイントレは3段で、僕が「火宅か修羅か」の照明でどうしても4段の高さにパイプが欲しいとお願いし、単管とクランプで仮設していただいた、それが3年前。それがその後常設となり、今回行ってみたら、その高さのパイプが仮設でなくてきちんと組み直され、仕込みやすいように足場がその高さにできていた。
「劇場」は夏は暑く、冬は寒く、そして空調の音がうるさく、温度調整がなかなか難しかったのだが、今回行ってみたら、なんと客席の上空に音の静かな空調機が吊られており、上演中の客席を快適な温度に保っていた。
当初は「劇場」と「スタジオ」の電源が共有で、しかも総容量が少なく、両方で電気を融通し合う必要があったのだが、現在は大電力の電源が引き込まれ、容量を気にせず使うことができるようになっているそうである。
当初カフェだった「しかの心」は、カフェ機能を残しつつ、面積の大部分が劇場に改装され、昨年はそこで柿食う客の公演が行われた。今回はこふく劇場が公演をしている。
(たしか)2年前(ぐらい)に鳥取県知事、平田オリザらによるシンポジウムが行われた「交流館」は、現在はその面積の半分近くが劇場に改装されており、今回はチェルフィッチュの公演がそこで行われた。
僕たちが初めてこの地を訪れたとき、そこは鳥取県鹿野町であった。しかし、現在は市町村合併で、「鳥取市」の一部となっている。その結果、鹿野町議会は消滅した。その、使われなくなった鹿野町議会の議場を劇場に改装した「議場劇場」で、今回僕たちは「さようなら」を上演した。
その隣には、仮設の野外劇場が作られ、鳥の劇場の公演が行われている。
これら、「劇場でないところを劇場に改装する」というノウハウは、鳥の劇場は、まず間違いなく世界一のノウハウと技術を持っていると思う。そういう所に、僕が、外部スタッフとしては最多回数、訪れている。これは、偶然とは思えない。何かそこに、僕の「役割」があるのだと感じている。
鳥の劇場は、よく、利賀と比較される。しかし、僕にとっては、利賀と鳥の劇場は、まったく違う。鳥の劇場に僕が行くと、その場所、人、ハード、ソフト、すべてが、僕を歓迎してくれるように感じる。鳥の劇場のメインスタッフが、みんな僕と親しい友達になってくれている。そういう場所では、自然と、僕の仕事のクオリティも上がるものである。利賀では、そういうことは無かった。
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